リトル・ミックス(Little Mix)が5枚目のアルバム『LM5』を全世界同時発売。英No.1ガールズグループが、フェミニズム旋風が吹き荒れる今の時代にぴったりな、キャリア史上最強のフェミニストアルバムを完成させた。(フロントロウ編集部)
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『LM5』は全18曲、その内容は?

 リトル・ミックス史上もっとも曲数の多い全18曲からなる『LM5』。11月16日(金)に全世界同時発売された『LM5』では、リトル・ミックスがエグゼクティブ・プロデューサーに就任。アルバムの方向性からトラックリストまで、全てにおいて従来以上に主導権を握った。

 そんな『LM5』は、ガールズが「ファンに捧げたリトル・ミックスのアンセムみたいなものね。要するに、女性の位置づけについてルールを定めているの」と語る「ナショナル・アンセム(=国歌)」という曲で幕を開ける。

“彼女は最高の女
魔力の産物
汝 女神に祈りを捧げ
約束を破ることなく
誠実で正直であれ″
(「ナショナル・アンセム」より)

 「とにかく“女性”というのが大きなテーマで、女性としての私たちがどんな風に感じているのかを表現したかった」とするガールズが、『LM5』で伝えているメッセージとは?フロントロウ編集部が5つのポイントにまとめました!

画像1: 『LM5』は全18曲、その内容は?

 社会が勝手に決めた「女性とは」という概念にNOをつきつけたMVが話題を呼んだ「ウーマン・ライク・ミー feat. ニッキー・ミナージュ」。トランスジェンダーのモデルや世界乳がんファンデーションのCEOなど、強烈なビジュアルと共にボディポジティヴなメッセージを放った「ストリップ feat. シャラヤ・J」

 1st、2ndシングルと2曲連続で「女性」にまつわる曲がリリースされた『LM5』には、ほかにも、「私は私のファン/自分に夢中だわ」と自信たっぷりに歌う「ジョーン・オブ・アーク」や、「毎日休みなく職場に向かう彼女は/過重労働なうえに薄給のまま」と男女間の給与格差を指摘した「ウーマンズ・ワールド」など、今の時代にリトル・ミックスが伝えたいフェミニストなメッセージであふれている。

画像: Little Mix - Woman Like Me (Official Video) ft. Nicki Minaj youtu.be

Little Mix - Woman Like Me (Official Video) ft. Nicki Minaj

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画像: 「ストリップ」スペシャル・ビジュアル写真

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 「ホテルの部屋で寝つけずに/あなたが恋しくて どうしたらいいのか わからなくなるの/身体はこんなにも求めている」と歌う「シンク・アバウト・アス」や、「まだよ まだ満足できない/彼のせいで今夜も眠れない」と歌う「モーティヴェイト」、自分に興味を示さない彼に「Boy 誘われるがまま 私を押し倒してよ/レース姿で待ちぼうけは嫌なの」と歌う「ノーティス」など、『LM5』ではガールズがセクシャルな話題を堂々と口にしている。

 じつはこれも、リトル・ミックスのフェミニズムの表れ。“男性はセックスについて武勇伝のように自慢できるのだから、女性だって性について堂々と喋れるべき”。こういった曲からは、リトル・ミックスのそんな強い意志が聞こえてくる。

「ここ1年間で私たち全員が以前よりも遥かに強くなって、色んな問題について、中でもとくに女性のエンパワーメントについて、積極的に語りたいという意欲がグっと増したの。ここにきて私たちは、他人に何を言われようと全く構わないって思えるくらいに、自分たちに大きな自信を持てるようになったのよ。すごく時間はかかったけど、うん、ここ1年ですごく逞しくなったと思う」

ーリー・アン

画像3: 『LM5』は全18曲、その内容は?

 リトル・ミックスを語る時に、メンバー同士の女の友情を語らずにはいられない。「あなたが独りぼっちだと思うときは/ゴーストみたいに背後から見守っているから」と友達との絆を歌う「モア・ザン・ワーズ feat. カミーユ」、親友を一度裏切った男性に「万が一 あなたがまた彼女を傷つけたら/絶対に逃さないから」と注目する「ラヴ・ア・ガール・ライト」など、友達との絆を歌った曲が心をつく。

 とくに、やめた方がいいと忠告した男性に傷つけられてボロボロになった友達への曲「トールド・ユー・ソウ」は、「Girl、今夜はうちにおいでよ/ワインもメイク落としもあるから」「だから言ったのになんて 絶対に言わない/警告したのになんて 絶対に言わない」という歌詞が、女性同士の友情の美しさを表わしている。

「プライベートで体験することも(グループ)全員で分かち合っている。みんなこれまでに色んな男の子と交際して、失恋もして……それも全部知っているわ。だから(『トールド・ユー・ソー』では)、まさに私たち自身の姿が投影されているのよ。そして『ラヴ・ア・ガール・ライト』では、4人のうちのひとりと付き合っている男の子に対して、「もし私の親友にひどいことをしたら、タダじゃおかないから!」って警告しているの(笑)。だから、すごく親しい間柄にある、お互いを支え合っている女友達に関する曲なのよ」

ーリー・アン

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 フロントロウ編集部でもリリース前に報じたが、親日家なメンバーらしく、『LM5』には日本にまつわるタイトルの曲が。それが、「ワサビ」という曲。この曲は、リトル・ミックスを褒めたかと思えば次の瞬間に手のひらを返したかのように批判する一部メディアに対するカウンターソング。

 「ワサビを吐きだすみたいに私を扱って/これでもかとこきおろす」「ゴシップ紙が私のことを書き立てる/折り紙みたいに 折ってあげるわ」などと日本でお馴染みのアイテムを織り交ぜながら、「あなたの会話の中心はいったい誰?私ね」と論破する。

「スタジオにいて、ちょうどシャンという名前のスタッフの女性が一緒にいたのよ。で、彼女はお寿司を食べていたんだけど、ワサビをとらずに食べていて、私はびっくりして「どうしたらそんなにたくさん平気でワサビが食べられるの?」って訊いたの。「鋼鉄製の舌の持ち主でなきゃ無理だわ!」って、すごく不思議に思ったのよ。私だったらきっとワサビを吐き出しちゃっただろうから。そんな出来事がきっかけで生まれた曲なの(笑)」

ージェイド

画像5: 『LM5』は全18曲、その内容は?

 『LM5』はパワフルな曲がつまったアルバムでありながら、リトル・ミックスの繊細な面もしっかり見られるアルバム。ガールズは以前から、自分の弱さや不安を認めて受け入れることは強さの裏返しであると説いており、『LM5』でも、失敗や失恋を正直に打ち明けている。

 「私は信念を失い/自ら過ちを重ねて/どうすればいいのかわからなかった」と失敗を受け入れて立ち直る「ザ・キュアー」のほか、「前より綺麗になったのよ/でもそれを見てくれる人がいないから楽しくない」と歌う「フォーゲット・ユー・ノット」や「ダーリン 誰も私を立ち直らせることはできない/あなた以外は」と歌う「オンリー・ユー (with チート・コーズ)」といった切ない失恋ソングがアルバムにひと味違う一面を与える。

「『ザ・キュアー』は、失恋をして心に傷を抱えているところから始まって、それを癒す方法を見つけ出して、立ち直るための力を得るまでの過程を歌っているの。すごく高揚感のある曲だし、アンセムぽいところもある」

ーリー・アン

画像6: 『LM5』は全18曲、その内容は?

 アルバムの中で気になるのが、「カリフォルニアで出会った」というアーティストの男性が相手の失恋ソング「アメリカン・ボーイ」。歌を聴く限り、相手には本命がいたためフラれたようだが、この相手とは一体?

 リトル・ミックスの中でアメリカ人アーティストと恋のウワサが流れたことがあるのは、「シークレット・ラヴ・ソング」でコラボしたジェイソン・デルーロとウワサされたジェイド。2015年にジェイドが「まだ始まったばかりよ」と交際を認めたが、すぐに「ただの冗談!悪ふざけがすぎました!」と宣言を撤回していたが…。

画像: ©️Little Mix

©️Little Mix

 リトル・ミックスの5枚目のアルバム『LM5』は現在発売中。国内盤は「オンリー・ユー 」のアコースティック版がボーナストラックとしてついて全19曲。

リトル・ミックス/Little Mix
ニューアルバム『LM5』
2,200円+税/SICP-5915
初回仕様のみスペシャル・パッケージ / ロゴ・ステッカー封入
収録曲
01. ザ・ナショナル・マンセム
02. ウーマン・ライク・ミー feat. ニッキー・ミナージュ
03. シンク・アバウト・アス
04. ストリップ feat. シャラヤ・J
05. モンスター・インー・ミー
06. ジョーン・オブ・アーク
07. ラヴ・ア・ガール・ライト
08. アメリカン・ボーイ
09. トールド・ユー・ソウ
10. ワサビ
11. モア・ザン・ワーズ feat. カミーユ 
12. モーティヴェイト
13. ノーティス
14. ザ・キュアー
15. フォーゲット・ユー・ノット *
16. ウーマンズ・ワールド *
17. ザ・キュアー (ストリップド)*
18. オンリー・ユー (with チート・コーズ)*
19. オンリー・ユー (アコースティック) ★
*=デラックス盤ボーナス・トラック
★=国内盤ボーナス・トラック
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(フロントロウ編集部)

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