2008年にインドのムンバイにて起きた同時多発テロを覚えているだろうか。イスラム過激派とみられるグループによる犯行と言われているこのテロ事件は、約200人もの死者を出した。
その標的の中心となったのが、インドの有名五つ星ホテル、タージマハル・ホテル。ムンバイの街が襲われたとき、ホテルの中では何が起こっていたのか。それを鮮明に描いたのが、新作映画の『Hotel Mumbai』だ。
映画では、テロリストに押し入れられたタージマハル・ホテルを舞台に、ホテルのスタッフたちが、自身の命を犠牲にしてまで、その場にいる人たちを守ろうとする、その勇敢で慈悲深い行動を映す。
ちなみに、犯行グループは主にイスラム教過激派の若者を中心に構成されていた。そこには、インドにおけるさまざまな社会問題や国際政治情勢に関わる宗教問題が密接に関係している。
キャストには、『スラムドッグ$ミリオネア』のデヴ・パテルと、『君の名前で僕を呼んで』のアーミー・ハマーが共演という何とも豪華な顔ぶれ。デヴが演じるのは、家で待つ家族のことを想いながらも、周りの人々を助けることを決めた勇敢なホテルの従業員。アーミーは、生まれたばかりの子どもと妻とともにそのホテルに滞在していた外国人旅行者を演じる。彼も同じく、自分を犠牲にしてでも家族を守ろうとする父親である。
あまりにも強烈なシーンの数々に衝撃を受けるかもしれないが、これは実話であり、この悲惨な出来事が実際に、世界各地で今起こっているのが現実。この作品は、そんな悲惨な実情と向き合うきっかけとなるに違いない。
『Hotel Mumbai』は3月22日全米公開。日本公開は未定。(フロントロウ編集部)