リルの「ハーバード」騒動
カニエ・ウェストとのコラボ曲「アイ・ラヴ・イット(I Love It)」で知られるラッパーのリル・パンプが、「ハーバード中退者」という意味になるニューアルバム『ハーバード・ドロップアウト』をリリースしたことで、ちょっとした騒ぎが起きている。
以前からハーバード大学を中退したと発言して世間をザワつかせているリルは、2年前の2017年には「俺はラップを救うためにマジでハーバードを中退した」というツイートまでしたことがある。
嘘か真か、自称“ハーバード大学の中退者”を名乗るリルが、2月末に自身の“肩書”をタイトルにしたアルバム『ハーバード・ドロップアウト』をリリース。
「ハーバードの中退生だぜ/中退してリッチになった/バーに行くよりハーバードに行ってた」と歌うシングル「ドロップアウト(=中退)」が収録された同アルバムが発表されたタイミングで、なんとリルがハーバード大学の卒業式でスピーチを披露するというニュースが報じられた。
現在18歳で、高校1年生の時に学校を退学したことも明かしているリルだけに、本当に名門大学に入学した可能性は低いけれど、リルは自身の音楽レーベルを通して声明を発表。「スピーチをするために卒業する必要はない。中退した。あいつらは俺が生まれる前にWindowsとかPCを作った奴を呼んだみたいに俺を呼んだ」と、予想外の選出が事実だと言わんばかりのコメントを残した。
ハーバード大学では、これまでビル・ゲイツやスティーヴン・スピルバーグといった偉人が演説をしてきただけに、今回のニュースは教育業界を震撼させ、予想以上に大きな注目を集めた。
これを受けて、ハーバード大学が異例の声明を発表。同校の広報担当が「既報の通り、ハーバード大学の卒業スピーチはアンジェラ・メンケルが行ないます」とリルの演説を否定するコメントを出す事態にまで発展してしまった。
リルが生徒に贈る謎の“熱血スピーチ”
ハーバード大学をめぐる騒動を受けてか、同校に謎の執着心を持つリルがアルバムのPRでラジオ局WHRB Harvard Radioに出演し、学校に通う若者のファンに向けてメッセージを送った。
中退したことでラッパーとして成功したような口ぶりの楽曲が収録されるアルバム『ハーバード・ドロップアウト』のPRのはずなのだが、リルはファンに向けて「みんな学校はやめるな、マジで」と熱弁。
アルバムとは正反対なメッセージを口にしてリスナーを驚愕させたリルは、「中退することがクールと思ってるやつが多いけど、そんなバカなことはちっともクールじゃない」「たくさんの黒人が学校を中退して結局ホームレスが薬物中毒者になってるだろ?だから俺がそこのガキどもに言いたいのは、自分のベストな人生を生きて、夢を追いかけろってこと。誰の意見も聞くな。したいことを止めようとするキモイやつらには従うな!自分のしたいことをしてやれ!」と、熱血教師レベルの人生論を展開した。
果たせなかった「ハーバード大学でのスピーチ」をするかのような演説で、夢を追う若者たちを激励したリル。
最近では、口癖のように「中退するな。俺みたいになるな」と話しており、この珍行動が果たしてアルバムのプロモーションなのかは謎に包まれている。
ちなみにリルのアルバム名『ハーバード・ドロップアウト』の「ハーバード」は、「Harvard」ではなく「Harverd」で、有名大学とはスペルが違う。(フロントロウ編集部)