エール大学やスタンフォード大学、ジョージタウン大学、南カリフォルニア大学などの名門大学への入学に際して、生徒の親の依頼で、替え玉受験やスポーツ入学枠の悪用、SAT(米国の大学進学希望者を対象とした共通試験)での得点を水増しするなどの手口で受験生を不正に入学させ、その報酬として2011年から2018年までの約7年間に総額2500万ドル(約27億8,000万円)という膨大な額におよぶ謝礼を受け取っていたとして、進学相談会社経営の50代の男性が起訴された。
アメリカ全土を揺るがす大受験スキャンダルとなっている本件に、有名セレブとその子息が関わっていることが、連邦裁判所に提出された資料により明らかになった。
顧客リストに名を連ねていたのは、日本でも1993年からNHK教育テレビで放送された人気ドラマ『フルハウス』でレベッカ(ベッキー)役を演じた女優のロリ・ロックリンと、ドラマ『デスパレートな妻たち』でリネット役を演じ、2004年のプライムタイム・エミー賞の主演女優賞に輝いた女優のフェリシティ・ハフマン。
ロリは、現在19歳でユーチューバーとして活動している娘のオリヴィア・ジェイド・ジャナリの大学受験にあたり、実際には所属していないボートチームに所属しているという虚偽の申告をするため、起訴された男に50万ドル(約5,500万円)を支払ったことが発覚。
フェリシティは、長女のSATの得点を水増しするために1万5千ドル(約166万円)を支払ったと記載されているという。
起訴された男の手口は悪質なもので、実際の受験者の代わりに成績優秀者を替え玉として送り込んだほか、大学側の指導者と共謀して競技歴のない生徒をアスリート枠で合格させたり、まったくの別人の競技写真に依頼者の娘や息子の顔を合成し、あたかも競技歴があるかのように見せて学校側に提出することもあったという。
同件では、依頼者の親33名とともに、不正に加担した大学関係者ら13人が逮捕。米CNNは現地時間の3月12日午後、フェリシティがロサンゼルス警察に身柄を拘束されたと報道。ロリについても同様の措置が下される見込みだと伝えている。(フロントロウ編集部)