イコール・ペイ・デイとは
イコール・ペイ・デイ(平等な賃金の日)は、性別による収入格差の問題を広く知ってもらおうとする日のこと。男性の1年分の収入を、女性がどれだけ長く働けば得られるのかを計算して割り出した日が、イコール・ペイ・デイとされる。日づけは毎年変わる。
先日、女優のミシェル・ウィリアムズがアメリカのワシントンD.C.で行なわれた「イコール・ペイ・デイ」のイベントに参加し、性別による賃金格差について、自身の体験を話した。
ミシェルが問題にしたのは、映画『ゲティ家の身代金』における賃金の差。同作では、一部シーンの撮り直しを行なったことで、出演者への追加のギャラが発生。10日間における撮影で主演のミシェルに約10万円弱のギャラが支払われた一方で、助演のマーク・ウォールバーグには合計で約1億6,500万円が支払われた。
2018年に米The Wrapが報じたところによると、ミシェルの契約には撮り直しに関する項目が含まれ、マークの契約書には含まれていなかったことから、マークは撮り直し撮影へのギャラの交渉が可能だったという。しかしながら、映画はミシェルが主演であったことや、2人の仕事は同等量であったこと、ミシェルはアカデミー賞に4度のノミネート経験があるかたわら、マークは1度のノミネートであることなどから、このギャラの差はあまりにひどいと話題になった。
この事実を知った時の心境を振り返ったミシェルは、「虚しさから頭がおかしくなりそうだった」とイベントでのスピーチで明かした。ミシェルは他にも、「これは、普段から私が耐えている物語です。そしてなにが起こったと思いますか?誰も気にしないんですよ。この件から、女性の平等の権利は奪えるものだと学びました。女性は、少ない賃金で男性と同じぐらい一生懸命働き、家庭ではさらなる責任を背負っているのです」と、女性の背負う社会の現状を訴えた。
その一方で、職場は変わってきていると話すミシェルは、「これは話さなくてはいけないことですが、2週間前に終えた仕事では、男性の共演者と同額の賃金をいただきました」と報告。昨今の映画業界でアクティブになっているMeTooやTime’s Upムーブメントの重要さに触れ、性別によって格差があるという事実を発信することの大切さを話した。(フロントロウ編集部)