人気ドラマ『リバーデイル』のリリ・ラインハートが加工や修正を一切加えていない水着姿の写真をインスタグラムで公開。その理由に頭が下がる。(フロントロウ編集部)

 青春ミステリードラマ『リバーデイル』に出演し、同世代の共演者らとともに、10代~20代の若者たちから憧れの視線を注がれている女優のリリ・ラインハート

 彼女が若い世代の“ロール・モデル(お手本、模範となる存在)”と呼ばれているのには、人気作品に出演している以外にも、れっきとした理由がある。

画像: 2018年、米Glamour主催のウーマン・オブ・ザ・イヤー・サミットで「セルフラブ(自分を愛すること)」についてスピーチを行なうリリ。

2018年、米Glamour主催のウーマン・オブ・ザ・イヤー・サミットで「セルフラブ(自分を愛すること)」についてスピーチを行なうリリ。

 自分の体形について深く悩んでいた過去を持つリリは、これまでにも、自分のウエストを実際よりもスリムに修正した雑誌に苦言を呈したり、たまたまお腹が膨らんでいるように見えるパパラッチの写真が出回ったことがきっかけで妊娠説が浮上した際には、それを一種の体形批判だと指摘し、心ない言葉に傷ついたことを正直に明かして、「体はつねに変化するもの」、「他人の体についてあれこれ言うために時間や労力を割くのはやめよう」とSNSを通じて呼びかけたこともあった。

 若者に大きな影響力を持つ立場を活用して、体形批判やこれまで女性たちが社会から押しつけられてきた“非現実的な美の基準”に対して異論を唱えてきたリリは、たくさんのティーンからお手本として尊敬されている。

 そんな彼女が、インスタグラムで自分の水着姿を写した1枚の写真を公開。

 サイドにカットアウトが施されたワンショルダーの黒いワンピース水着を着たリリが窓辺にたたずみ、カメラを見つめているこのショットには、こんなメッセージが添えられていた。

「編集や加工がされていないありのままの自分の姿をSNS上でさらけ出すことができる自分を誇りに思います。私は決して、何かを隠したり、本当の自分ではない姿を見せることで誰かを騙したりはしません」

 昨今インスタグラムなどのSNSでは、写真加工アプリを使って自分の体や顔を修正し、現実とはかけ離れた姿を投稿する人が男女ともに急増。

 「ウエストはスリムでなくてはいけない」、「バストは大きくなくてはいけない」、「ヒップはボリュームがあるほうがいい」、「脚は細く長くなくてはいけない」、「小顔でなくてはいけない」といった、誰が決めたか分からない”美の基準“に合わせて自分の姿を変え、まるでそれが本来の自分であるかのように偽るこの行為は、ユーザーの精神衛生上好ましくないだけでなく、世の中に誤ったイメージを植えつけ、若者の摂食障害などを誘発する危険性もあるなどと問題視されている。

 リリーが投稿したメッセージの後半には、彼女がある“ボディ・ポジティブ運動”(※)を推進するキャンペーンをサポートするというコメントも。

※「ありのままの美しさを受け入れよう」、「どんな体型も美しい」と自分自身の体形に自信を持ち、肯定しようと呼びかけるムーブメント

 そのキャンペーンとは、米発のカジュアルブランド、アメリカン・イーグル アウトフィッターズの姉妹ブランドであるエアリー(aerie)が行なっている「#AerieREAL(エアリー・リアル)」というハッシュタグを掲げたキャンペーン。

 エアリーは、一般女性たちの体形とはかけ離れたスリムでグラマラスなモデルたちが広告に起用されることが多いランジェリー&スウィムウェア業界で、先陣をきって、さまざまな体形のモデルを起用して多様性をアピール。さらに、2014年以降、広告やカタログ写真への加工・修正を廃止したことで知られている。

 リリも参加した「#AerieREAL」キャンペーンは、このハッシュタグを使って女性たちがSNS上で“無修正の水着姿”を公開すると、その度に1ドル(約109円)ずつ、摂食障害に関する啓発・予防活動を行なっている米摂食障害協会に寄付されるという画期的な仕組み。

 無修正の水着姿を晒すという多くの女性にとっては勇気を必要とする行動で、1700万人を超える自身のフォロワーたちと、その枠を超えるたくさんの人々にボディ・ポジティブに関する意識を高めようと呼びかけたリリ。彼女の投稿には、称賛や賛同のコメントとともに、喝采を意味する「拍手」の絵文字が殺到している。(フロントロウ編集部)

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