1997年の不慮の事故によるダイアナ元妃の死から20年以上。英BBCのメンタルヘルスをテーマにした特別番組『A Royal Team Talk: Tackling Mental Health』に登場したウィリアム王子が、当時15歳で母親を亡くしたことによる深い悲しみについて胸の内を明かした。
「若いときに家族を亡くすと、何歳になっても同じかもしれませんが、とくに小さいときにそれを経験した人たちは、これ以上ないくらいの痛みを味わいます。人生で、それよりもつらい痛みに出会うことはないと思います。私は、家族を亡くした人たちにとても親しみを感じます。そういった人と話しはじめると、ときには目を見るだけで、彼らが(家族との死別について)話したがっているのがわかります。彼らが『話しても大丈夫だよ』って言ってほしいと思っているのが、わかるのです。イギリスではとくに、個人的な感情に対して身構えてしまう人が多いですよね。恥ずかしいと思ってしまいがちです。イギリス人の“悲しくてもつらくても冷静さを失わないようにする”性格が垣間見れます。それも大切だと思います。けれど、私たちは少しリラックスして、私たちが、どう感じているのか、考えているのか、話す必要があると思います。私たちはロボットではないのですから」
10代という若さで母親を亡くし、人生でこれ以上につらい苦しみに出会うことはそうないと話したウィリアム王子。母親との別れから20年以上が経ち、その事実と向き合い、さらには公に話せるようになったというウィリアム王子は、つらい気持ちを吐き出すことの大切さを強く主張した。
そんなウィリアム王子は、弟のヘンリー王子と共に経験した精神的な苦しみについて自ら発信し、チャリティを通してメンタルヘルス問題の改善に取り組んでいる。
今月10日から2人は、キャサリン妃とメーガン妃とともにメンタルヘルスの危機に苦しむ人々を支援する目的で、電話やショートメールで相談を受け付ける「Shout(叫んで)」というサービスを開始。虐待、人間関係、いじめなどに苦しむ人を24時間年中無休でサポートする。(フロントロウ編集部)