“デートの会計は誰が支払いますか?”
付き合う前に告白する国、しない国。カルチャーによって恋愛事情は異なるけれど、世界共通で議論されるのが、「誰がデートの会計を支払うのか」ということ。
とくに初デートの場合は男性が支払う風潮があり、ドラマや映画などでもデートの会計を済ませるのは男性という描かれ方が大半。
男女の恋愛における「デートの支払い問題」は、米Forbesや米Wall Street Journalといった経済メディアでも特集されるほど長らく議論されており、自分をアピールするために「男性が払うべき」と考える男性がいれば、身なりにお金がかかるため「男性が払うべき」と考える女性もいて、ほかにも、おごってもらうのは大歓迎だけど礼儀として「割り勘」を提案する女性、男女平等であるべきだから「割り勘」を好む女性など、様々な意見がある。
しかし、今の世の中は男女平等が求められる時代。平等という点を考慮するなら、デートの支払いを性別で判断すべきではないはずだが、米Money and SurveyMonkeyが発表した2017年の統計では、いまだ男性の85%・女性の72%が「男性が払うべき」と考えているという結果となった。
では、同性同士のカップルが多いLGBTQ+の人々は、この「デートの支払い問題」をどう考えているのだろうか。
デートに誘った人が支払うべき
全米のLGBTQコミュニティの恋愛事情についてのアンケートを集めた、米デートアプリMatch.comの2016年の統計では、デートの会計について以下のような結果が出た。
この統計では、独身のLGBTQの62%が「デートに誘った人が支払うべき」と答え、44%が「問題が起きないように割り勘を選ぶ」と回答。同性と交際している人が多いLGBTQのあいだでは半数近い人が「割り勘」を選び、カップル間に“性別の違い”がなくなると、一気に公平に払うという気持ちが高まることが分かった。
LGBTQ+の人々のあいだでは、割り勘のほかにも、「交代で支払う」「自分の分だけ払う」「稼ぎがいい方が払う」といった様々な意見があり、会計の基準を性別で判断しなくなった時、ほかにどんなポイントで判断されているのかが明かされた。
ただ一方で、自分のことを「マスキュリン(男性らしい)」と考えるあるパンセクシャル(全性愛者)の女性は米BuzzFeedに、男性が女性のためにドアを開けてあげるといった昔からある女性尊重のジェントルマン文化の影響から、女性とデートする時には自分が支払いをすることが多いと告白。
性別に対するステレオタイプが一見はなさそうな同性同士のあいだでも、社会に根づいている“男はこう・女はこう”という考え方が存在していることが分かった。(フロントロウ編集部)