今月6月は、世界各地でLGBTQ+の権利や文化について理解を促すプライド月間。多くのセレブや企業がLGBTQ+へのサポートを見せるなか、人気ランジェリーブランドのヴィクトリアズ・シークレットの姉妹ブランドとして知られるピンク(PINK)も、あるツイートを投稿。プライド月間を支持する姿勢を見せ、こうコメントした。
「自らのコミュニティに変化をもたらそうとするLGBTQ+の仲間と顧客たちを祝福できることは、私たちPINKの誇りです。多様性を受け入れることは私たちを強くしてくれます。みなさんの声がきちんと聞かれるように、全力で取り組みます。今月は、私たちの仲間やCampus Repプログラム(※)、そしてPINKのファンのプライドの物語をシェアしていきます」
※将来のキャリアに向けて、最先端のグローバル企業のマーケティングを体験するプログラムのこと。Appleなど大きな企業が取り入れていることで知られている。
Here at PINK, we’re proud to celebrate our LGBTQ associates & customers that make an impact in their communities. Inclusion makes us stronger and we’re committed to giving everyone a voice. We’ll be sharing Pride stories from associates, Campus Reps and PINK fans all month long! pic.twitter.com/zJsh2MwuGK
— VSPINK (@VSPINK) 2019年6月4日
プライド月間に対するポジティブな姿勢を見せているようなこの投稿だけれど、ツイッター上で非難を浴びることとなってしまった。
バッシングのきっかけは、ブランドの過去の「発言」
このPINKのツイートが炎上してしまったのは、同ブランドのマーケティング担当のある過去の発言が原因。
昨年、ヴィクトリアズ・シークレットのマーケティングを担当するエド・ラゼックは、他社ブランドがプラスサイズやトランスジェンダーのモデルを起用し、ランジェリー業界が変化しつつあることを指摘されると「このショーでトランスセクシュアル(※)のモデルを使うべきか?起用すべきじゃない。なぜかって?このショーはあくまでも“ファンタジー”だから。42分間の特別なエンターテイメントだからだよ。そういうことさ」と発言。
※トランスセクシュアルとは、トランスジェンダーの中でも、性適合手術を受けた人のことを指す。
多様性が注目される世の中とは合わないキャスティングで、物議を醸していたブランドのマーケティング担当のこの発言に、シンガーのホールジー、モデルのリリー・オルドリッジやカーリー・クロス、さらにトランスセクシュアルの母親を持つモデルのケンダル・ジェンナーがSNSを通じて抗議していた。
過去に騒動となったこの発言と今回のツイートの相反する内容に、多くの人が疑問に感じたよう。「影響力やお金のためにサポートするふりをしないでほしい。言葉よりも行動の方が多くを語るの」といった意見や「冗談でしょ。LGBTQ+のTが、トランスを指していることくらい知ってるよね?」、「(笑)偽善だよこれって。ヴィクトリアズ・シークレットってトランスフォビア(※)でしょ」などと厳しいコメントが殺到し、炎上する事態となった。
※性同一性障害やトランスジェンダーに対する嫌悪のこと
ちなみに同ブランドは、この件について今のところコメントを発表していない。(フロントロウ編集部)