6月11日に、アメリカのワシントン州に住む10歳の女の子の母親が、Amazonに対して訴訟を起こした。また同日にカリフォルニア州でも8歳の男の子の代理人から、同じ内容で訴訟が起こされており、この裁判は集団訴訟になると見られている。
今回の訴えの内容は、Amazonが13歳以下の子供たちの声紋を、同意を得ずに録音していること。
連邦政府に提出された訴状では、アップルや他のメーカーは、デジタル端末からの録音を全く行なっていない、もしくは短期間だけ保存したのちに削除しているのに対し、Amazonはアレクサを使って顧客の声の録音を「永久保存」しているという。
さらに、顧客やその家族からの同意が得られていない状態でも録音が行なわれており、「Amazonは未登録ユーザーに対して、アレクサが永続的な録音行為をしていることを注意してこなかった」と批判した。
とくに、今回の訴訟でカギとなっているのは、子供。まだ子供には録音されることの意味が理解できないため、「子供たちはアレクサ(のシステム)を理解しているわけではなく、Amazonが声を録音して声紋を取っているという警戒心も持たずに使用している」と、Amazonが子供の人権を侵害していると主張した。
原告側は、まず裁判官に訴訟を集団訴訟として進めることを求め、Amazonに対しては原告団すべてのメンバーの録音音声を消すことと、この先同意のない録音は行なわないことを求めている。
またAmazonが顧客から同意を得られていないことは、アメリカの8つの州で違法に当たると見られている。(フロントロウ編集部)