ニューアルバム『Lover(ラバー)』に収録されるセカンドシングル「You Need To Calm Down(ユー・ニード・トゥ・カーム・ダウン)」がヒットを飛ばしているシンガーのテイラー・スウィフト。

「ストーンウォールの乱」(※)から50年を迎える今年2019年のプライド月間に合わせてリリースされた同曲は、LGBTQ+アンセムとして知られ、セクシャルマイノリティの人々を勇気づける歌詞が特徴的。そんなテイラーの歌詞をきっかけに、早速あるポジティブな現象が起きている。
※アメリカのゲイバー、「ストーンウォール・イン」で起きた暴動。性的マイノリティに対する理不尽な法律や不当な捜査に対して、初めてそのコミュニティの人々が反乱を起こし、これが世界的な権利運動への拡大へとつながった。
13ドルの少額寄付が集まる理由

同曲で「あなたは私たちの知らない人だけど、私の友人たちをミサイルのように攻撃してる/なんでMad(怒ってるの)?/GLAADになることだってできるのに」と歌っているテイラー。
GLAADというのは、LGBTQ+の人々のイメージに関するメディアモニタリングを行っている非政府組織のこと。同団体は、LGBTQ+の人々がメディアや社会でどう扱われているかなどのデータを発表する一方、権利向上に貢献する人々を称えるGLAADアワードを開催するなど、LGBTQ+コミュニティの啓もう活動の中心におり、テイラーは歌詞のなかでこの団体名と英単語「glad=喜び」をかけて、団体にスポットライトを当てた。
曲が解禁された途端、GLAADに13ドル(約1,430円)という少額寄付が殺到。「13」と言えば、テイラーのラッキーナンバー。ファンたちはテイラーにオマージュを捧げるために彼女のラッキーナンバーと同じ額をLGBTQ+の権利向上活動に寄付して、テイラーが曲にささげた思いを受け継いだ。
Why are you mad when you can be GLAAD? (@glaad)
— ️ Ro & Saige ️ (@atxswifties) 2019年6月20日
Supporting our beautiful community today and everyday ️ donate to GLAAD! @taylorswift13 @taylornation13 #BehindYNTCD pic.twitter.com/iEJy4eGoKb
昨年10月、長い間の政治的沈黙を破って「同性婚を支持しない人には投票できない」と、LGBTQ+アライ(※)としてのスタンスを明確にしたテイラーは、今年の5月、政治家宛てにLGBTQ+への差別を禁じるEquality Act(平等法)を支持するよう訴えた手紙を送ったとインスタグラムで告白。そして今月14日には「ストーンウォール・イン」のドラァグクィーン・イベントにサプライズで出演するなどLGBTQ+コミュニティへのサポートを続けている。
※性的マイノリティの当事者ではない人が、性的マイノリティを理解し支援するという考え方、あるいはそうした立場を示すこと

ストーンウォール・インに登場したテイラー
テイラーが続けているLGBTQ+へのサポートについて、GLAADのエグゼクティブは、「テイラーが彼女の立場と音楽をLGBTQコミュニティや平等法を支援するために使っていることは、彼女がアライである真の証です」とコメントしている。(フロントロウ編集部)