スカヨハの問題発言には裏が
映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』ほかMCU映画でブラック・ウィドウを演じ、単独映画化も決まっているスカーレット・ヨハンソンが、「俳優はどんな人も、どんな木も、どんな動物も演じられるべきだと思う。それが私の仕事だし、私の仕事に求められていることだから」と米As If誌のインタビューで発言。
スカーレットと言えば、映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』で原作ではアジア人の主人公を演じてホワイト・ウォッシュだと批判されたり、映画『Rub & Tug(原題)』でトランスジェンダー役にキャスティングされたことが批判されて役を降板したりと、キャスティングに関してたびたび炎上している。
そんなスカーレットから飛び出した今回の発言を、英Daily Mailが、「スカーレット・ヨハンソンがポリティカル・コレクト(※)なキャスティングについて発言」として報道すると、再び炎上。
※ポリティカル・コレクトネス(Political Correctness)またはポリティカル・コレクト(PoliticalCorrect)とは、社会的に不利な立場にある人々や差別されている人々を排除したり、疎外したり、侮辱するような表現や行動を避けること。
マイノリティの役やマイノリティの俳優の起用が極端に少ないハリウッドで、白人俳優がマイノリティの役を演じることが批判され続けているが、スカーレットは同インタビューで「アートに影響が出てくる時はおかしいと思う時もある。だってアートは制限がないものであるべきだから。みんなに自由に感情を持たせてあげて、全員が自分と同じ気持ちではないんだってことを認められたら、社会はもっと絆のある場所になるんじゃないかな」とも語り、白人俳優の起用を擁護しているような発言が大きな物議を呼んだ。
しかし炎上から数日、スカーレット本人が、この発言は「クリックベイトのために編集され、大幅に文脈から切り取られた」ものだと反論した。
「大幅に文脈から切り取られた」
スカーレットは報じられている発言は自身のキャスティングについてではなく、「近代美術の画家デヴィッド・サーレとの対談で、ポリティカル・コレクトネスとアートの衝突について話していた時の質問の答えだった」と、メディアに発表した声明で主張。
続けて、「私個人は、アートとポリティカル・コレクトネスは切り離されるべきであり、すべての俳優が自由にどんな役でも演じられる世界が理想的だと思っています。私はそう主張していたにもかかわらず、(仕上がったインタビューでは)そう伝えられませんでした。現実にはこの業界ではシスジェンダー(※)の白人が優遇されていて、私が特権として持つ機会を与えられていない俳優がたくさんいることを私は理解しています。私はこれからも、すべての業界で多様性が生まれることをサポートしますし、すべての人が一員になれるよう闘います」と、問題発言の真意を説明するとともに、すべての業界における多様性の実現を訴えた。
※身体的性別と自分の性自認が一致していている人
(フロントロウ編集部)