アメリカとメキシコの国境を横断するピンク色の「シーソー」が完成。アイコニックな遊具に秘められた想いに胸が熱くなる。(フロントロウ編集部)

壁を突き抜けるピンク色のシーソー

 アメリカ・ニューメキシコ州サンランドパークとメキシコ・チワワ州シウダー・フアレスをまたぐ国境に鮮やかなピンク色の「シーソー」がお目見えした。

 アメリカとメキシコの国境には密輸や密入国を防ぐ目的で「壁」と呼ばれるフェンスが設置されているが、このシーソーは鋼鉄製の柵の隙間から差し込まれており、双方の側で生活する人々が「壁」を軸に向かい合いながら一緒にシーソー遊びを楽しめる仕組みになっている。

 構想10年を経て、ついに設置が実現した「Teetertotter Wall(国境のシーソー)」は、カリフォルニア大学バークレー校で建築を教える2人の教授が考案したもの。

 「壁」によって隔てられた人々が、国家間の情勢や文化の違いなどに関係なく交流を図ることができるこのシーソーが持つ意味について、考案者の1人であるロナルド・ラエル教授は、「国境の壁に設置されたこのシーソーは、片方のアクションがもう片方の側にも直接的な影響をもたらすというアメリカとメキシコの国際関係を象徴しています」、「子供も大人も相互作用を認識しながら、有意義な方法で繋がることができるのです」と語っている。

 ラエル教授がインスタグラムで公開した動画には、彼の思惑通り、壁を挟んで向かい合い、ピンク色のシーソーに乗った人々が笑ったり会話をしたりしながら無邪気に遊び、心を通わせる様子が映し出されている。

 現在アメリカは、ドナルド・トランプ大統領の指揮のもと、メキシコからの移民に対して強硬な政策をとっているが、殺風景な国境の地域に出現した目の覚めるようなピンク色のシーソーは、2つの国とそこに暮らす人々の絆を象徴するものとなっている。(フロントロウ編集

This article is a sponsored article by
''.