世界を動かす10代グレタ・トゥーンベリ
スウェーデン出身の16歳グレタ・トゥーンベリは、世界を動かす環境活動家。彼女は15歳の時に、スウェーデン政府に環境問題への真摯な対応を求めるため、学校に行かずに議会の前で座り込みをする「環境のための、学校に行かないストライキ」を開始。グレタの活動は世界の多くの若者の賛同を得て、133ヵ国で160万人以上が参加するデモに発展した。
これまでに世界経済フォーラムなどの世界のトップが集まる国際的会合でスピーチをし、2019年に米Timeが発表した「最も影響力のある100人」の1人に選ばれ、2019年のノーベル平和賞にもノミネートされたグレタ。そんな彼女は、9月にアメリカのニューヨークで開催される国連の気候サミットに参加が決定。しかし彼女は、排気ガスを放出する飛行機での移動を拒否。イギリスのプリマスから、ヨットに乗って大西洋を横断する約2週間のヨット旅を敢行していた。
そして現地時間8月28日、ついにグレタがニューヨークに到着。グレタが乗っていたヨットはスピードが出せるよう設計されたもので、調理場も、シャワーも、そしてなんとトイレもついていない。そんなヨットを操り、ニューヨークへの長旅を終えたグレタは、「旅は驚くほど良かったです。船酔いにも1度もなりませんでした」と話した。港では、そんなグレタを多くの群集が歓迎した。
さらに記者団から、地球環境に関する国際的な協定であるパリ協定からの離脱を宣言したアメリカのトランプ大統領へのコメントを求められたグレタは、「彼へのメッセージは、ただ、科学の声を聞きなさいということです。彼がそれをしていないのは明白ですけどね」とコメントした。
グレタの旅の豪華な同伴者
さらに驚きなのが、グレタの同伴者。グレタの父親や、プロの船乗りであるボリス・ハーマンに加え、なんとモナコ王室の故グレース・ケリーの孫で、イケメン王子として有名なピエール・カシラギ王子も同行!
王子は16歳のアクティビストの環境への考えに賛同して、彼女を国連本部に送り届けるために、操縦をはじめ船の上での様々な肉体労働をほかのクルーと協力してこなす姿が、航海の様子をレポートした公式インスタグラムで日々明かされた。
グレタの活動は国連のアントニオ・グテレス事務総長の強い支持を得ており、以前英Guardianへの寄稿で、「各国の首脳は、温室効果ガス排出量を2050年までに実質ゼロにするために、今後10年で45%削減し、2020年までに大幅に減らす『具体的で現実的な』計画を用意し、2019年9月に開かれる国連気候サミットに参加してください」と呼びかけていた。
そしてついに期限となる国連気候サミットが開催される。グレタの活動が、世界各国のトップをどう動かしたかに注目が集まる。(フロントロウ編集部)