母の足跡を辿って
HIVやガン患者、恵まれない子供たちなど弱者に寄り添い、さまざまなチャリティ活動に情熱を注いだ故ダイアナ妃。そんな元妃がチャールズ皇太子との離婚後に王室を後にしてからも、死の直前まで心を傾け続けていたのが地雷廃絶問題だった。
1997年、交通事故で命を落とす約7カ月前にアフリカ・アンゴラの地雷原を訪問したダイアナ妃は、「悪魔の兵器」、「貧者の兵器」と呼ばれる地雷の恐ろしさや、被害に苦しむ人々の存在を世に知らしめ、地雷撲滅を目指したいという一心で防護服やマスクを着け危険な地雷原を歩いた。
ダイアナ妃のこの勇気ある行動は、世界中のメディアによって大々的に報じられ、地雷廃絶問題への関心を高めるきっかけに。
そんな歴史的シーンを、妻メーガン妃と長男アーチーとともにアフリカを訪問中のダイアナ妃の次男ヘンリー王子が22年の歳月を経て再現した。
ダイアナ妃と同様の防護服を身に着けたヘンリー王子は、地雷除去を専門とする英慈善団体「ヘイロートラスト(The HALO Trust)」のボランティアとともに、南西部の街ディリコに残る地雷原を一歩一歩ゆっくりと踏みしめ、地雷を爆発させて撤去する作業に参加した。
その後、ウアンボの街を訪問し、ダイアナ妃がかつて歩いた、元地雷原を視察したヘンリー王子。
現在では舗装され、一般市民の生活に溶け込んでいるその通りに立ったヘンリー王子は、地雷原だった頃から残された「ダイアナ・ツリー」と名づけられた木の傍に腰掛け、感慨深げに想いを巡らせた。
ヘンリー王子は、スピーチの中で、「地雷は癒えることのない戦争の傷跡です。地雷を廃絶することにより、その地に暮らす人々が平和を見つけ、そしてさまざまな機会を手に入れる手助けができるはずです」とコメントし、母ダイアナ妃の意志を誇りをもって受け継ぐとともに、地雷のない世界を目指そうと呼びかけた。(フロントロウ編集部)