Photos: ゲッティイメージズ、ニュースコム、スプラッシュ/アフロ
2019年度のハロウィン・シーズンに、IT界の聖地、米シリコンバレーのユニクロで黒のタートルネックが在庫切れ状態になっている。(フロントロウ編集部)

シリコンバレーで黒タートルネックが欠品中

 グーグル、アップル、フェイスブックなど巨大IT企業の拠点である、カリフォルニア州のシリコンバレー。このエリアにあるユニクロ(Uniqlo)の店舗で、黒のタートルネックが売り切れ状態にある。

 日本時間10月29日にフロントロウ編集部が調べたところ、シリコンバレーの都市であるサンタクララから半径40マイル(約65キロ)のユニクロの全店舗で、メリノウール、カシミア、ラムウールすべての素材において、メンズの黒のタートルネックのXXS~XXLがすべて売り切れていた。

画像: 全店舗で「Not Available(在庫なし)」になっている。©Uniqlo

全店舗で「Not Available(在庫なし)」になっている。©Uniqlo

ユニクロ完売の原因はハロウィン?

 ベーシックに使える黒のタートルネックは人気とはいえ、ここまでの在庫切れ状態には、2019年にシリコンバレーで人気を集めているハロウィン仮装が関係しているかもしれない。

 黒のタートルネックの仮装と言えば、まず思いつくのが、Apple社創業者の故スティーブ・ジョブズ。2011年に病のため亡くなったジョブズ氏は黒のタートルネックがトレードマークだった。

画像1: ユニクロ完売の原因はハロウィン?

 しかしシリコンバレーには今年、黒のタートルネックがトレードマークの話題のCEOがもうひとりいる。それが、シリコンバレーに本社を置いていたTheranos社のエリザベス・ホームズ。

画像2: ユニクロ完売の原因はハロウィン?

 エリザベス・ホームズは、スタンフォード大学在学中に少量の血液で200種類以上の血液検査を迅速かつ安価に出来るという触れ込みで医療ベンチャー企業セラノスを創業した若き女性実業家。しかし、大物を含む投資家たちから400億円以上の資金を集めて一時は1兆円近い資産価値があると試算されていたセラノスが主張していた技術は存在しないことがわかり、米経済誌Forbesの表紙まで飾ったエリザベス・ホームズは、“DNA検査の寵児”から“詐欺師”へと転落した。

画像: ビル・クリントン元米大統領とアリババのジョセフ・マーCEOと並んで座るエリザベス・ホームズ。

ビル・クリントン元米大統領とアリババのジョセフ・マーCEOと並んで座るエリザベス・ホームズ。

 2020年に彼女の不正行為に対する裁判が控えるなか、ITや医療界では、エリザベス・ホームズの仮装が人気を博しており、ツイッターでは、黒のタートルネックを着たエリザベスが指にはさんだ薬を見つめるアイコニックな写真をパロディする人たちのハロウィン仮装が多く披露されている。

 シリコンバレー周辺のユニクロで黒のタートルネックが売り切れいている背景には、シリコンバレーを騒がせているこのスキャンダルが一因としてあるのかもしれない。(フロントロウ編集部)

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