実体験を交えたスピーチに感動の声
Netflixのオリジナルドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のイレブン役で大ブレイクしたミリー・ボビー・ブラウン(15)が、11月20日の「世界こどもの日」に国連本部で行なわれた会合で、ユニセフの親善大使として若い世代を代表してスピーチを行なった。
幼少期に学校でいじめに遭って転校を余儀なくされた経験があるミリーは、自らもいじめの被害者であることから、「自分の無力さを感じたあの時のことを今でもよく覚えています。安全な場所だったはずの学校が、(いじめによって)恐怖を感じる場所へと変わってしまったのです。誰を信じればよいのかも、誰に助けを求めればよいのかもわかりませんでした」とツラい時期のことをこう振り返った。
幸い、転校したことで学校でのいじめはなくなったが、その後、人気ドラマに出演したことによって一躍時の人となったミリーにさらなる試練が待ち受けていた。それは、ネット上のいじめ。
ミリーは「世界中に何百万といる女の子たちと同様に、私もネット上でいじめられ、恥辱的な扱いを受けてきました」と切り出すと、続けて「携帯を開くたびに、人々から送られてきた怒りや憎悪に満ちあふれた脅迫まがいのメッセージを目にすることは、恐怖でしかありません。そういったメッセージのほとんどは、見知らぬ人たちから送られてきたものです。いわゆる“ネット荒らし”と呼ばれる人たちです。学校にいるいじめっ子たちと一緒で、彼らは相手のパワーを奪うことで、逆に自分たちのパワーを増幅させていくのです」と、故意に人を傷つける人たちの心理について言及。
ミリーの場合、「家族や友人、まわりの人たちの支えもあってネガティブな感情に打ち勝ち、奪われたパワーを取り戻すことができた」というが、世の中には、こういった困難な状況を乗り越える手助けをしてくれる人たちが身近にいない子供たちも大勢いる。ミリーは、そういった子供たちのなかには「自傷行為に走ったり、精神的に不安定になったり、最悪の場合、自殺をしたりする子たちもいる」と説明。
今年9月に国連本部でスピーチを行なった16歳環境活動家グレタ・トゥーンベリの話を聞いて、多くの若者たちが環境保護活動やデモに参加するようになったことを例に挙げ、1人でも多くの子供たちをいじめから救うには、まずは自分たちが行動を起こすしかないのだと訴えかけた。
最後に、今現在いじめに苦しむ少女たちに向けて、「あなたは決して1人じゃない。あなたの事を思ってくれている人があなたのまわりに必ずいる。あなたが助けを求めればちゃんと話を聞いてくれる人がいる」とメッセージをおくったミリーは、親善大使という立場を利用して、今後もいじめ撲滅を実現するために尽力することを約束。大勢の大人たちを前にしても怯むことなく、力強い言葉でスピーチを締めくくったミリーに、会場から割れんばかりの拍手が巻き起こった。
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(フロントロウ編集部)