アジア系俳優、活躍の場が拡大中
映画『ラスト・クリスマス』は、2019年12月5日に日本公開されるロマンティック・コメディ。
1984年に発売されたワム!の楽曲『ラスト・クリスマス』をモチーフに、ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のエミリア・クラークと映画『クレイジー・リッチ!』のヘンリー・ゴールディングがメインキャストを務める。
【あらすじ】
ロンドンのクリスマスショップで働くケイト(エミリア・クラーク)。華やかな店内でエルフのコスチュームを身にまとう彼女は、仕事に身が入らず、乱れがちな生活を送っていた。そんなある日、ケイトの前に不思議な青年トム(ヘンリー・ゴールディング)が現れる。トムはケイトが抱えるさまざまな問題を見抜き、彼女に答えを導き出す。そんなトムにケイトは心をときめかせるが、2人の距離は一向に縮まることはなかった。やがてケイトはトムの真実を知ることとなる…。
トム役を務めたヘンリーは、マレーシア国籍とイギリス国籍を持つアジア系俳優。モデルやテレビタレントとしてマレーシアで活動していたが、2018年にアメリカ映画『クレイジー・リッチ!』の主演ニック役に大抜擢され、世界で名を知られるようになった。
そんなヘンリーは、米Yahoo! Entertainmentのインタビューで、最近の映画業界の変化について「ほんの数年前なら、“主人公の恋人役”はドーナル・グリーソンやダン・スティーヴンスのような俳優だっただろう」とコメント。
『ラスト・クリスマス』でエミリアと演じたカップルの組み合わせは、現代の世の中ではとてもリアリティがあるものだと指摘。「映画は、私たちの周りの世界を反映する必要がある」としたうえで、「誰もがいろいろなマッチングを行いながら、この“美しいるつぼ”のような世界で生きています」と付け加えた。
ヘンリーは、映画『クレイジー・リッチ!』は、西洋におけるアジア系俳優たちのキャスティング状況を変えてくれた記念碑的作品だとし、これまでは西洋で「幼い」「悪人」「軟弱」といった、ネガティブなステレオタイプで描かれることが多かったアジア人の立ち位置が変わってきたことを示唆。
“ずっと前からあらゆるところに存在していたのに、ないがしろにされてきた”という歴史を持つアジア人の状況が少しずつ変化し、『ラスト・クリスマス』で西洋人のエミリアとのカップリングも“普通に”描かれるようになってきたことを、ヘンリーはとても喜ばしく思っているよう。(フロントロウ編集部)