最多ノミネートは夫婦の愛憎劇を描いた『マリッジ・ストーリー』
ハリウッド外国人映画記者協会の会員の投票により選定されるゴールデン・グローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦とも言われている映画界において最も注目のアワードの1つ。その第77回ゴールデン・グローブ賞の全ノミネート作品&俳優が日本時間の12月9日に発表となった。
最多ノミネート作品は、6部門に選出された俳優のスカーレット・ヨハンソンとアダム・ドライバーが演じる離婚問題に直面する夫婦の愛憎劇を描いた映画『マリッジ・ストーリー』。
ロバート・デ・ニーロが実在したヒットマンを演じたマーティン・スコセッシ監督の映画『アイリッシュマン』とクエンティン・タランティーノ監督がレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットという2大スターとタッグを組んだ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』が5部門にノミネートし、それを追う形となっている。大ヒットを記録しているトッド・フィリップス監督/ホアキン・フェニックス主演の『ジョーカー』はドラマ部門の作品賞、主演男優賞、監督賞、作曲賞の4部門にノミネートを果たした。
『マリッジ・ストーリー』、『アイリッシュマン』はいずれもNetflixオリジナル映画。さらに、『2人のローマ教皇』、『ルディ・レイ・ムーア』、『アンビリーバブル たった1つの真実)』といったNetflix映画やドラマシリーズも健闘し、Netflix作品が圧倒的な強さを見せつけ、”自宅に居ながら観られる本格派作品”がアワードを席巻する時代がいよいよ到来したという予兆が感じられる傾向となった。
以下、ノミネート作品&俳優リスト。
<映画の部>
ドラマ部門 作品賞
『1917 命をかけた伝令』
『アイリッシュマン』
『ジョーカー』
『マリッジ・ストーリー』
『2人のローマ教皇』
ドラマ部門 主演女優賞
シンシア・エリヴォ(『ハリエット』)
スカーレット・ヨハンソン(『マリッジ・ストーリー』)
シアーシャ・ローナン(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』)
シャーリーズ・セロン(『スキャンダル』)
レネー・ゼルヴィガー(『ジュディ 虹の彼方に』)
ドラマ部門 主演男優賞
クリスチャン・ベイル(『フォードvsフェラーリ』)
アントニオ・バンデラス(ペイン・アンド・グローリー<原題>)
アダム・ドライバー(『マリッジ・ストーリー』)
ホアキン・フェニックス(『ジョーカー』)
ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)
コメディ/ミュージカル部門 作品賞
『ルディ・レイ・ムーア』
『ジョジョ・ラヴィット』
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
『ロケットマン』
コメディ/ミュージカル部門 主演女優賞
オークワフィナ(『ザ・フェアウェル<原題>』)
アナ・デ・アルマス(『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』)
ビーニー・フェルドスタイン(『ブックスマート<原題>』)
エマ・トンプソン(『レイトナイト 私の素敵なボス』)
ケイト・ブランシェット(『ウェアド・ユー・ゴー、バーナデット』)
コメディ/ミュージカル部門 主演男優賞
ダニエル・クレイグ(『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』)
ローマン・グリフィン・デイヴィス(『ジョジョ・ラビット』)
レオナルド・ディカプリオ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
タロン・エガートン(『ロケットマン』)
エディ・マーフィ(『ルディ・レイ・ムーア』)
アニメ映画賞
『アナと雪の女王2』
『ヒックとドラゴン 聖地への冒険』
『ライオン・キング』
『ミッシング・リンク<原題>』
『トイ・ストーリー4』
外国語映画賞
『フェアウェル』
『レ・ミゼラブル』
『ペイン・アンド・グローリー』
『パラサイト 半地下の家族』
『ポートレイト・オブ・ア・レディ・オン・ファイア』
助演女優賞
キャシー・ベイツ(『リチャード・ジュエル』)
アネット・ベニング(『ザ・リポート』)
ローラ・ダ―ン(『マリッジ・ストーリー』)
ジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)
マーゴット・ロビー(『スキャンダル』
助演男優賞
トム・ハンクス(『ア・ビューティフル・デイ・イン・ザ・ネイバーフッド<原題>』)
アンソニー・ホプキンス(『2人のローマ教皇』)
アル・パチーノ(『アイリッシュマン』)
ジョー・ペシ(『アイリッシュマン』)
ブラッド・ピット(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
監督賞
ポン・ジュノ(『パラサイト 半地下の家族』)
サム・メンデス(『1917 命をかけた伝令』)
トッド・フィリップス(『ジョーカー』)
マーティン・スコセッシ(『アイリッシュマン』)
クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
脚本賞
スティーヴン・ザイリアン(『アイリッシュマン』)
ノア・バームバック(『マリッジ・ストーリー』)
クエンティン・タランティーノ(『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』)
ポン・ジュノ、ハン・ジンウォン(『パラサイト 半地下の家族』)
アンソニー・マクカーテン(『2人のローマ教皇』)
作曲賞
アレクサンドル・デスプラ(『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』
ヒドゥル・グドナドッティル(『ジョーカー』
ランディ・ニューマン(『マリッジ・ストーリー』
トーマス・ニューマン(『1917 命をかけた伝令』
ダニエル・ペンバートン(『マザーレス・ブルックリン』)
主題歌賞
「ビューティフル・ゴースツ」 (『キャッツ』)
「アイム・ゴナ・ラブ・ミー・アゲイン」 (『ロケットマン』)
「イントゥ・ジ・アンノウン」 (『アナと雪の女王2』)
「スピリット」 (『ライオン・キング』)
「スタンド・アップ」 (『ハリエット』)
<テレビの部>
ドラマ部門 作品賞
『ビッグ・リトル・ライズ』
『ザ・クラウン』
『キリング・イヴ/Killing Eve 』
『ザ・モーニングショー』
『サクセッション』
ドラマ部門 主演女優賞
ジェニファー・アニストン(『ザ・モーニングショー』)
オリヴィア・コールマン(『ザ・クラウン』)
ジョディ・カマ―(『キリング・イヴ/Killing Eve 』)
ニコール・キッドマン(『ビッグ・リトル・ライズ』)
リース・ウィザースプーン(『ザ・モーニングショー』)
ドラマ部門 主演男優賞
ブライアン・コックス(『サクセッション』)
キット・ハリントン(『ゲーム・オブ・スローンズ』)
ラミ・マレック(『MR.ROBOT / ミスター・ロボット)
トビアス・メンジーズ(『ザ・クラウン』)
ビリー・ポーター(『POSE/ポーズ』)
コメディ/ミュージカル部門 作品賞
『バリー』
『Fleabag フリーバッグ』
『コミンスキー・メソッド』
『マーベラス・ミセス・メイゼル』
『ザ・ポリティシャン』
コメディ/ミュージカル部門 主演女優賞
クリスティーナ・アップルゲイト(『Dead to Me ~さようならの裏に~』)
レイチェル・ブロズナハン(『マーベラス・ミセス・メイゼル』)
キルスティン・ダンスト(『オン・ビカミング・ア・ゴッド・イン・セントラル・フロリダ<原題>』)
ナターシャ・リオン(『ロシアン・ドール:謎のタイムループ』)
フィービー・ウォーラー=ブリッジ(『Fleabag フリーバッグ』)
コメディ/ミュージカル部門 主演男優賞
ビル・ヘイダ―(『バリー』)
マイケル・ダグラス(『コミンスキー・メソッド』)
ベン・プラット(『ザ・ポリティシャン』)
ポール・ラッド(『僕と生きる人生』)
ラミ―・ユセフ(『ラミ』)
リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 作品賞
『キャッチ=22』
『チェルノブイリ』
『フォッシー/ヴァ―ドン<原題>』
『ザ・ラウデスト・ボイス<原題>』
『アンビリーバブル たった1つの真実』
リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 主演女優賞
ミシェル・ウィリアムズ(『フォッシー/ヴァ―ドン』)
ヘレン・ミレン(『キャサリン・ザ・グレイト<原題>』)
メリット・ウェヴァー(『アンビリーバブル たった1つの真実』)
ケイトリン・デンバー(『アンビリーバブル たった1つの真実』)
ジョーイ・キング(『ジ・アクト<原題>』)
リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 主演男優賞
クリストファー・アボット(『キャッチ=22』)
サーシャ・バロン・コーエン(『ザ・スパイ』)
ラッセル・クロウ(『ザ・ラウデスト・ボイス』)
ジャレッド・ハリス(『チェルノブイリ』)
サム・ロックウェル(『フォッシー/ヴァ―ドン』)
リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 助演女優賞
メリル・ストリープ(『ビッグ・リトル・ライズ』)
ヘレナ・ボナム・カーター(『ザ・クラウン』)
エミリー・ワトソン(『チェルノブイリ』)
パトリシア・アークエット(『ジ・アクト』)
トニ・コレット(『アンビリーバブル たった1つの真実』)
リミテッドシリーズ/テレビムービー部門 助演男優賞
アラン・アーキン(『コミンスキー・メソッド』)
キーラン・カルキン(『サクセッション』)
アンドリュー・スコット(『Fleabag フリーバッグ』)
ステラン・スカルスガルド(『チェルノブイリ』)
ヘンリー・ウィンクラー(『バリー』)
今年の授賞式の司会を務めるのは、今回が5度目のホスト就任となるコメディ俳優兼脚本家のリッキー・ジェーヴェイス。受賞者たちへの辛口なコメントやブラックジョークで、ハリウッド外国人記者クラブから反感を買ったこともある彼が、今年はどんな巧みな話術でセレブたちや時事ネタをイジるのかにも注目が集まる。
さらに今年は、俳優のトム・ハンクスのセシル・Bデミル賞、人気司会者のエレン・デジェネレスの功労賞受賞がすでに決定している。
第77回ゴールデン・グローブ賞の授賞式は米現地時間の2020年1月5日(日本時間1月6日)に開催される。(フロントロウ編集部)
※記事公開後に日本での邦題が決定した作品があったため、一部作品名を修正しました。