飛行機の機内アナウンスで、機長が乗客に「R指定映画」の視聴をすすめるという前代未聞の出来事が発生。(フロントロウ編集部)

奇想天外な機内アナウンスのワケとは?

 アメリカの格安航空会社ジェットブルーの飛行機で、機長が機内アナウンスを通じて乗客にストリップクラブが舞台の映画『ハスラーズ』の視聴をすすめるという、前代未聞の出来事があった。

 2008年のリーマン・ショック後のニューヨークを舞台に、ストリップクラブで働く女性たちが、世界最高峰の金融地区ウォール街の裕福なサラリーマンたちから大金を奪う計画を企てた、驚愕の実話を描いた本作は、ヌードやドラッグを扱うシーンを多く含むことから、アメリカではR指定になっている。

 この作品で体当たりの演技を披露した製作総指揮&主演を務めるジェニファー・ロペスは、2020年のゴールデン・グローブ賞のコメディ/ミュージカル部門の助演女優賞にノミネートされた。

きっかけはある男性のツイート

 問題の機内アナウンスは、そんなジェニファーの熱狂的なファンを名乗る男性、ジョセフ・ロンゴのツイートがきっかけで生まれたものだった。

 この日、たまたまジェットブルー航空の飛行機に乗る予定だったジョセフは、冗談半分で「ジェニファー・ロペスがゴールデン・グローブ賞にノミネートされたことを祝して、この飛行機の乗客全員に『ハスラーズ』を視聴させる」「ヘイ、ジェットブルー、ニューヨークからロサンゼルスへ行くこの飛行機の機内にアカデミー会員(※)が絶対にいるはずだから、僕にアナウンスをさせて!」とツイート。
※アカデミー賞の投票権を持つ人たちのことを指す。現在の会員数は6,000人超。

 普通ならこれで終わる話だが、先ほどのジョセフのツイートを目にしたこの飛行機の機長が機転を利かせて、なんとジョセフの代わりにこんなアナウンスをしてくれた。

 「じつは、乗客の1人であるジョセフ・ロンゴさんから特別なリクエストがありました。彼はジェニファー・ロペスのバックダンサーとして非常に有名な方だそうです。ご存じかもしれませんが、ジェニファー・ロペスは映画『ハスラーズ』での演技が評価され、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされました。『ハスラーズ』は当機の機内エンターテイメントで見ることができます。『ハスラーズ』を見て、我々と一緒にロペスさんのサポートをして頂けたら嬉しいです。みなさんの支援に感謝します。我々はジェニファーがオスカーを受賞することを願っています」

 ジェニファーの「バックアップ(支援者)」を自称するジョセフのことを、機長がバックダンサー(※)と勘違いするという多少の行き違いはあったものの、ツイートをしたジョセフ本人も“マジかよ”といった様子で大笑い。のちにこの一件を知ったジェニファーも、「なんて最高なの!!!! あなたならバックダンサーとしていつでも大歓迎よ。あなたのサポートに感謝するわ」とツイッターで思わず反応した。
※英語でバックダンサーのことを「Backup Dancer」と表記するため、機長が勘違いしたものと思われる。

 さらに、『ハスラーズ』の監督を務めるローレン・スカファリアも、ツイッターを通じて「ありがとうジョセフ!ありがとうジェットブルー!」と感謝のコメント。それに対し、ジェットブルーの公式ツイッターは、「こちらこそありがとうございます。(ローレンを含む)クリエーターの方々が素晴らしい作品を作ってくれるおかげで、私たちの機内エンターテイメントはとても充実しています。ノミネートされたみなさん、おめでとうございます」と、こちらもまた粋な返信をしている。 

 ちなみに、映画『ハスラーズ』は日本で2020年2月7日(金)から公開される。


映画『ハスラーズ』あらすじ

 幼少の頃母に捨てられ、祖母に育てられたデスティニー(コンスタンス・ウー)は祖母の介護のため、ストリップクラブで働き始める。そこで、数多くいるストリッパーたちのなかでひときわ輝くラモーナ(ジェニファー・ロペス)と運命の出会いを果たす。ラモーナや同じクラブのベテラン、ダイヤモンド(カーディー・B)からストリッパーとしての稼ぎ方を学び、安定した生活を得ることができるようになるが、2008年に起きたリーマン・ショックの影響で世界経済は冷え込み、ストリップクラブで働く彼女たちにも不況の波が押し寄せることに…。

 「真面目に働いても生活が苦しいのに、経済危機を引き起こした張本人であるウォール街の金融マンたちは、なぜ相変わらず豊かな暮らしをしているのか」と不満を募らせたラモーナは、デスティニーやクラブの仲間たちと、世界最高峰の金融地区ウォール街の裕福なクライアントたちから大金を騙し取る計画を企てる。

(フロントロウ編集部)

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