ナイキ、ヒジャブの水着を販売
「身体さえあれば、誰もがアスリートである」という理念のもと、スポーツウェアを展開するブランドのナイキ。今回、同ブランドは女性アスリートのための水着コレクション「Nike Victory Swim Collection」を発表した。
「信仰」と「快適さや自信」の両方を選びたい人のための選択が少ないことに目をつけたナイキは、このコレクションで全身を覆うスイムスーツを発表。このスイムスーツのオプションには、ヒジャブやチュニック、そしてレギンスが登場し、女性は肌を覆うという教えがあるイスラム教徒(ムスリム)の女性向けに開発された。
このスイムスーツでは、軽さと通気性、速乾性を実現し、スイムスーツ自体の価格は、約66,000円(600ドル)から約71,500円(650ドル)、そしてヒジャブなどのオプションは約4,400円(40ドル)から約8,800円(80ドル)に設定されるという。
顔や手以外の肌を隠す教えがあるムスリムの女性にとって、水着を着て泳ぐことは簡単ではないこと。ブルキニというムスリム女性のための水着も販売されてきたけれど、最近ではフランスの海水浴場でブルキニが禁止され、差別だと批判を浴びていた。そんななか、世界的スポーツブランドであるナイキがムスリム女性の信仰を意識した水着コレクションを発表したことは、水泳を愛するムスリム女性だけでなく、社会的にも大きな影響がありそうだ。
スポーツ界に多様性をもたらそうとする姿勢で知られるナイキは、2017年にイスラム教徒がヒジャブの代わりに着用できるヘッドウェアを発表して、好評を得ていた。(フロントロウ編集部)