オバマ氏が考える「世界が確実に良くなる方法」
アメリカ元大統領のバラク・オバマ氏が、シンガポールで開催されたリーダーシップに関するイベントに登場した。
2007年から2017年までアメリカ大統領としてアメリカを率い、ノーベル平和賞を受賞したオバマ氏は、世界が確実に良くなる方法があると考えているそう。
「女性たちに知ってほしいのは、私はこれを疑いの余地なく言えますが、あなたたちは完璧ではないけれど、女性は男性よりも優秀です。そしてこれには本当に自信がありますが、2年間、地球上のすべての国が女性によって運営されたとしましょう。すべての人は、すべての物事で驚異的な改善を目にするでしょうね。生活水準や、成果でね」
バラク・オバマ前大統領がそう語るワケ
一見、極端な意見に聞こえるオバマ氏の発言だけれど、政治家としてキャリアを積んだオバマ氏は、その理由としてこのような分析を持っているという。
「世界を見渡して問題点をよく見てみると、それは大体年配の人で、大体、年配男性です。道を明け渡さないタイプのね。政治的リーダーたちは、自分たちは仕事をするためにそこにいるが、一生そこにいるべきではなく、はたまた自分自身が重要であることを証明したり、権力を楽しむためにそこにいるわけでもない、と忘れないようにすることが重要です」
オバマ氏といえば、性別による役割の押しつけをなくし、賃金格差を埋めるために行政システムの充実などを呼びかけてきた。さらに、家庭内暴力被害者や性暴力被害者への支援を向上させるためのキャンペーンIt’s on usをホワイトハウスぐるみで行なうなど、女性を人として尊重する姿勢を表してきた。
性別でひとくくりにするのは良くないとはいえ、たくさんの社会問題を抱える世界を長いことリードしてきたのが年配の男性たちであることは事実。。年配男性が中心となった政治のもと生まれた問題・解決されなかった問題を間近で見てきたことが、今回のオバマ前大統領の発言につながったよう。
女性の選択肢を男性が決めるという問題
アメリカといえば、今年2019年5月にはアラバマ州で一切の中絶を禁止する法案が可決。その法案に賛成した25人すべての上院議員が男性だったことで、女性たちから、「女性の身体に関する法律を男が作るべきではない」という批判が各地で大きく巻き起こった。
ちなみに日本でも今年2019年6月に開かれたアフターピル(※)についてのオンライン診療検討会では、「若い女性は知識がない」「若い女性が悪用するかも」という意見が飛び出したが、検討会の委員のうち女性は1人だけだった。
※避妊が出来なかった際に、後からでも服用することで避妊効果が望める緊急用ピル。
2018年には、新聞に載るような犯罪の多くが男性によって行なわれていることで、オバマ前大統領は、「男性は私をイライラさせるんですよ」と話し、「(男性は)自分たちのことを扱いきれていない」と厳しく語ったことすらある。
急速に変化する社会の中で、社会をリードすべき政治が取り残される状況に改革が求められている。(フロントロウ編集部)