ヒビだらけのマスクに込められた意味
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に続いて、公開中の映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』にも登場する、悪役のカイロ・レンが本作で着用している“ヒビだらけのマスク”に込められた意味を、監督のJ・J・エイブラムスが米Empireのインタビューで明かした。
じつは、『スカイウォーカーの夜明け』に出てくるカイロ・レンは、『最後のジェダイ』の前半に自らの手で破壊したマスクの破片を、わざわざつなぎ合わせて修復したものを着用しているのだが、それにはちゃんとした理由がある。
「日本で陶器を修復する際に用いられる手法があるんだけど、そのプロセスと同じように、壊れたものを修復することで、元の状態よりもさらに美しいものに変化する様を表現したかったんだ。あのマスクは、まさに(心も体も)ボロボロのカイロ・レンそのもの。彼がこれまで歩んできた人生をあのマスクから感じ取ることができる」
前作『最後のジェダイ』では、ほとんどのシーンでマスクを着用していなかったカイロ・レン。しかし、本作で再びマスクを着用し、しかもわざわざ壊れたマスクを修復してまで使っているのには、『スター・ウォーズ』シリーズとは何かとゆかりのある日本も絡んだ、こんな背景があったのだった。
ちなみに、エイブラムス監督が参考にしたと言っていた、陶器を修復する際に用いられる日本ならではの手法とは「金継ぎ」のこと。金継ぎは、割れたり欠けたりしてしまった器を漆で接着し、つなぎ目の部分を金で装飾する伝統的な修理法。見比べてみると、たしかに継ぎ目がそっくり。
『フォースの覚醒』で実の父ハン・ソロを殺し、シスの暗黒卿だった祖父のダース・ベイダーと同じ道を歩むことを選んだカイロ・レンは、前作『最後のジェダイ』でファースト・オーダーの最高指導者スノークを倒し、銀河系の圧倒的支配者となった。『スカイウォーカーの夜明け』では、祖父であるダース・ベイダーの遺志を継いだカイロ・レンと、“伝説のジェダイ”ルーク・スカイウォーカーの思いを受け継ぎ、フォースの力を覚醒させたレイたちとの最後の戦いが描かれる。(フロントロウ編集部)