ミシェル・ウィリアムズ、女性は人生を選ぶ権利がある
現地時間1月5日に開催された第77回ゴールデン・グローブ賞で、リミテッドシリーズ/テレビムービー部門の主演女優賞に輝いた『フォッシー/ヴァ―ドン』のミシェル・ウィリアムズの授賞スピーチが、会場にいた多くの女性たちに涙を流させ、多くの拍手が贈られた。
「自分の選択を認めてもらえることや、選択が存在する社会に生きられていることに感謝しています。なぜなら、女性や女の子には、自分が選択できないことが身体に起こることがあるからです。
私は、自分自身で人生を作り出すよう心掛けてきました。出来事が起こるのを眺めるのではなく、距離を取って眺めてみたときに自分の筆跡が確認できるような。ときに乱雑で、時に注意深くて正確に、自分自身の手で形づくられたもの。そう私ができたのも、女性の選ぶ権利があったからこそです。
しっかりとしたサポートとバランスがあると感じたタイミングで、いつ、誰との子供を産むかという選択がね。母親ならばわかるでしょうが、天秤は子供の方に寄ってしまいますからね。私の選択はあなたの選択とは違うかもしれません。でもありがたいことに、私たちの国は、私は私の信じるものを、あなたはあなたの信じるものによって生きる自由があるという考えをもとに作られました。
だから18歳から118歳の女性のみなさん。投票をするときは、自分の利益のために投票してください。男性は長年そうしてきました。だからこそ、世の中の多くの物事は彼らを表しているのです。しかし、私たちがこの国最大の投票層であることを忘れないでください。もっと私たちを表す世の中にしましょう」
ミシェルは、2005年に故ヒース・レジャーとの間に第1子を出産。そして15年が経った現在、第2子を妊娠している。
妊娠・出産には喜びがある一方で、女性には身体的な、そして深い精神的・社会的負担がかかる。そんな現状のなかゴールデン・グローブ賞を受賞し、俳優としてキャリアを極めているミシェルにとって、自分の人生に選択の権利があることの大切さを思わずにはいられなかったよう。
女性の身体は女性自身に決定権がある
また、アメリカでは女性の妊娠・出産に関して、2019年5月に、レイプなどの被害に遭って妊娠した場合でも中絶を許さない法案が可決された。女性の人権を踏みにじるこの法律には批判が相次いだが、さらに、賛成票を入れた25人がすべて男性だったことも指摘された。それを受けて多くの女性セレブが、「女性の身体に関する法律を男が作るべきではない」と怒りのメッセージを発し、今なお多くの女性たちが賛同している。
日本でも、2019年6月に行なわれたアフターピルについてのオンライン診療検討会に参加した委員のうち、女性はたった1人だったことが指摘されている。
ミシェルは過去には共演男性との1650倍の賃金格差を経験しており、その際には、「これは、普段から私が耐えている物語です。そしてなにが起こったと思いますか?誰も気にしないんですよ。この件から、女性の平等の権利は奪えるものだと学びました。女性は、少ない賃金で男性と同じぐらい一生懸命働き、家庭ではさらなる責任を背負っているのです」と話し、21世紀になった今も存在する女性に対する不公平に苦言を呈していた。(フロントロウ編集部)