なぜレイプ犯を告発しないのか?
メンタルヘルスの問題をはじめレイプ被害、自傷行為など、これまで自身の実体験を赤裸々に語ってきたレディー・ガガが、アメリカの名物司会者であるオプラ・ウィンフリーがアメリカの9都市で行なうトークショーの第1回目のゲストとして出席。
2014年のラジオ番組で、レイプ被害者であることを明かしたガガ。今回のトークショーではその件に触れ、19歳だった頃に、20歳以上年上の男性プロデューサーから日常的にレイプされ、その後PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しめられたことなどを会場に集まった人たちの前で赤裸々に話した。
2018年には大物プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインの長年のセクハラが告発されたことにより、セクハラ体験を告白・告発する「Me Too」のムーブメントが世界的に広がり、多くの被害者たちが加害者を告発するも、ガガはその時も19歳の時にレイプされた相手の名前を公にすることはなかった。
何故ガガは自分をレイプした人間の名前を公にしなかったのか。その理由についてオプラとのトークショーでこう答えた。
「それぞれが相手の弱みを握っているこの業界では、誰も助けようとはしてくれません。私がその人を追及して、その人がいるべき場所である刑務所に入れようとしても、手助けしてくれる人はいませんでした。私はそのことを恥じてはいません。ただMe Too運動のムーブメントのなか、私は追体験をしないためにも、(レイプ犯が)誰なのか明かさないことを個人的に選んだのです。これは私個人の選択です。そして世界がこの選択を尊重してくれることを願います」
ガガがMe Tooのムーブメントで相手の名前を明かすことがなかったのは、その名前を明かすことで辛い記憶をよみがえらせたくなかったから。レイプされた直後より、4~5年経ってからのほうが悩まされたという経験を持つガガは、その名前すらも思い出したくなかったよう。
このトークショーが終わった後、オプラは赤裸々に自身の経験を話したガガの元を訪れ、「言わせてもらってもいいかしら?あなたはとても素晴らしかった。あなたはとてもよかった。あなたは傷つきやすく、とても誠実で本物だったわ。あなたがこうしてくれたことが信じられない。オーマイ・ゴッド、あなたは本物でとても良くて、とても強い。私にこのようなことをしてくれてありがとう」と激励の言葉をかけ、ガガはその言葉に涙している姿が見られた。(フロンントロウ編集部)