女性主人公の割合は大幅にアップ
『キャプテン・マーベル』や『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』など、女性主人公の作品が数多く全米で公開された2019年。女性が主人公として登場する映画の割合は、2018年の31%から40%へと10%近く上昇し、近年最高値を記録した。
一方で、男性が主人公として登場する映画は全体の43%で、どちらの視点からも描かれる作品は17%だった。
主要キャラクターでは変化なし
しかし、主人公以外のキャラクターでは、変化はほとんど見られなかった。
主人公以下の主要なキャラクターにおける女性の割合は前年より1%上昇して37%に。また、セリフのある全キャラクターにおける女性の割合は1%減少して34%という結果に。
人種の多様性でも変わらず
人種の面では、女性俳優の起用率は“例年どおり”となった。
セリフのあるキャラクターで見ると、黒人女性は2018年の21%から20%へとわずかに減少。アジア人女性は、2018年は映画『クレイジー・リッチ!』の影響で10%と例年を上回ったが、2019年は再び2017年と同じ水準の7%に戻った。ラテン系の俳優は1%上昇したものの、依然低い5%という数字。
女性のメインキャラクターで見ると、白人が70%、黒人が18%、ラテン系が6%、アジア人が5%だった。
ジャンル別ではホラーが最も多い
女性が主人公の映画をジャンル別に分類すると、26%でホラーがトップに。その後、ドラマが24%、コメディーが21%、アクションが16%、SFが8%、アニメが5%とつづく。
ちなみに、男性が主人公だった割合はアクションが26%、ドラマが24%、アニメが21%、コメディーが14%、ホラーが12%、SFが2%だった。
依然として強いジェンダー・ステレオタイプ
映画の中でキャラクターが既婚であることを明らかにする割合は、男性キャラクターが34%であるのに比べて、女性キャラクターは46%と、10%以上の差が。
一方で、職業を聞かれる確率は男性キャラクターの方が高く、男性キャラクターは73%で女性キャラクターは61%と、ここでも10%ほどの差が出た。職場でのシーンは男性キャラクターが59%で女性キャラクターが43%で、映画でのジェンダー・ステレオタイプは依然強いまま。
2019年は女性主人公の映画が近年で最高値に達するという記念すべき年だったものの、ほかの分野ではまだまだ変化が必要な結果となってしまった。(フロントロウ編集部)