森林火災による煙も猛威に
これまでに10億以上の動物が犠牲になっている、オーストラリアの森林火災。火災そのものも猛威を振るっているが、その「煙」の影響も深刻。
オーストラリアの都市シドニーやメルボルンでは煙の影響により大気汚染が進み、一時はメルボルンのある豪ヴィクトリア州の大気が世界最悪の状態になった。
また、オーストラリア上空を飛ぶ飛行機が煙に包まれ、窓の外の景色が真っ赤になるところも目撃された。
煙が消えずに地球1周
そんななか、米NASAがオーストラリアの森林火災で発生した煙は、「地球を少なくとも1周はするだろう」と発表した。
森林火災の煙は、1月8日の時点で南アメリカ大陸を越えて地球を半周。もうすぐ地球を1周し、オーストラリアにふたたび流れ帰ってくると見られる。
今回の火災の煙は17.7km上空まで上がったと記録されているため、「成層圏に入ってしまえば、煙は数千マイルもの距離を移動することができ、世界中の大気状態に影響を及ぼします」とNASAは話す。
オーストラリアで発生した煙が通過したニュージーランドでも、大気汚染が発生して日中でも街が暗くなる事態が確認された。
オーストラリアでは夏の時期に森林火災が毎年起こっているものの、ここまでの規模の火災に拡大したのは、人による温暖化がさらなる悪化を助長したからだと考えられている。(フロントロウ編集部)