SAGとは?
SAGとは、アメリカの映画俳優組合が開催する映画祭の1つ。
アカデミー賞を選考するアカデミー会員とメンバーが重なることが多く、「アカデミー賞の前哨戦」として最も重要なアワードと言われている。
ゴールデン・グローブ賞などと同じように、映画とテレビから優秀な活躍をした俳優が選出されるのはもちろん、「キャスト賞」「アンサンブル賞」といわれるSAG独特の賞も。
キャスト賞、アンサンブル賞とは、作品に出演した俳優全体の演技に対して投票されるもので、一つの作品に対して複数名がノミネート。映画作品での賞には“キャスト賞”、ドラマ作品での賞には“アンサンブル賞”とそれぞれ名前が付けられている。
『パラサイト』の受賞は『SAG』の歴史を塗り替える快挙
2020年1月20日に開催されたSAGでは、韓国映画の『パラサイト 半地下の家族』がキャスト賞を受賞。
同部門で外国語映画が受賞するのはSAG史上初。歴史を塗り替える受賞となり、大いに盛り上がった。
授賞式の際には、自らの映画のキャストを嬉しそうに撮影するポン・ジュノ監督の姿がキャッチされ、主演のソン・ガンホは「“素晴らしいアンサンブル”が評価されるキャスト賞を受賞したということは、私たちはそんなに悪い映画を作ったわけじゃないんじゃないかと思えます。素晴らしい役者の皆さんの前でこの賞を受賞できたことを光栄に思う」と喜びをあらわにした。
Bong Joon Ho still in proud dad mode documenting his PARASITE cast backstage after their historic #SAGAwards win pic.twitter.com/ngGnZWrSic
— jen yamato (@jenyamato) January 20, 2020
ちなみに同部門での昨年の受賞作品は『ブラックパンサー』だった。
ホアキン・フェニックスがゴールデン・グローブ賞に続いて主演男優賞
SAGでは『ジョーカー』のホアキン・フェニックスが主演男優賞を、『ジュディ 虹の彼方に』のレネー・ゼルウィガーが主演女優賞を、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』のブラッド・ピットが助演男優賞を、『マリッジ・ストーリー』のローラ・ダーンが助演女優賞を受賞。
ゴールデン・グローブ賞でも助演男優賞を受賞し波に乗るブラッドは、2019年にアンジェリーナ・ジョリーと離婚して現在は独身であることをネタにして、スピーチの中でトロフィーを見ながら「これを(出会い系アプリの)Tinderのプロフィールに追加しなきゃな」と笑った。
コミックが原作の映画に出演した俳優の中でも、最も多くの映画賞を受賞した俳優の1人となったホアキンはスピーチの中でライバル候補者への称賛と、『ダークナイト』でのヒース・レジャーの活躍について称賛。
レネー・ゼルウィガーは、「人間としての経験を反映する仕事、理解や共感や一体感がある仕事、そして運が良ければ歴史にもう少しだけ光を当てることができる仕事をする語り手一族の一員であることを幸運に思います」と述べた。
テレビ部門では『ザ・クラウン』が2年連続受賞
テレビからは、「テレビ映画・リミテッドシリーズ部門」「ドラマ部門」「コメディ部門」が選出。
リミテッドシリーズ部門には日本で未放送のドラマ『フォッシー/ヴァ―ドン』からミシェル・ウィリアムズとサム・ロックウェルが選ばれ、同部門を独占。
ドラマ部門には『ゲーム・オブ・スローンズ』のピーター・ディンクレイジが男優賞に輝き、同作品の撮影地である北アイルランドの人々に対して9年間も撮影隊の存在を「我慢してくれた」ことを感謝したあと、会場のテーブルに座っていたドラマのキャストやクルーに向かって「感謝したい」「9年間もお互いを我慢しましたからね」と冗談を言った。
また、AppleTV+が発表した初めてのドラマ『ザ・モーニングショー』からはジェニファー・アニストンが受賞。
ジェニファーの元夫であるブラッドと同時受賞ということもあり、メディアから注目が集まるなか、特にジェニファーのスピーチを別モニターから熱心に見つめるブラッドの姿はSNSで広く拡散された。
Another look at Brad Pitt watching Jennifer Aniston winning her statue for #TheMorningShow at the #SAGAwards pic.twitter.com/Wg6vQm8Q1z
— The Hollywood Reporter (@THR) January 20, 2020
コメディ部門にはアンサンブル賞と男優賞で『マーベラス・ミセス・メイゼル』が受賞。女優賞にはエミー賞やゴールデン・グローブ賞などほとんどの映画賞を総なめにした『Fleabag/フリーバッグ』のフィービー・ウォーラー=ブリッジが輝いた。
SAG2020の総リスト
2020年 第26回SAGノミネーターと受賞者をご紹介。(★印は受賞者)
【映画部門】
主演男優賞
★ホアキン・フェニックス『ジョーカー』
クリスチャン・ベール『フォードvsフェラーリ』
レオナルド・ディカプリオ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
アダム・ドライバー『マリッジ・ストーリー』
タロン・エジャトン『ロケットマン』
主演女優賞
★レネー・ゼルウィガー『ジュディ 虹の彼方に』
シンシア・エリヴォ『ハリエット』
スカーレット・ヨハンソン『マリッジ・ストーリー』
ルピタ・ニョンゴ『アス』
シャーリーズ・セロン『スキャンダル』
助演男優賞
★ブラッド・ピット『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
ジェイミー・フォックス『黒い司法 0%からの奇跡』
トム・ハンクス『ABeautiful Day in the Neighborhood(原題)』
アル・パチーノ『アイリッシュマン』
ジョー・ペシ『アイリッシュマン』
助演女優賞
★ローラ・ダーン『マリッジ・ストーリー』
スカーレット・ヨハンソン『ジョジョ・ラビット』
ニコール・キッドマン『スキャンダル』
ジェニファー・ロペス『ハスラーズ』
マーゴット・ロビー『スキャンダル』
キャスト賞
★『パラサイト 半地下の家族』
チェ・ウシク、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン、パク・ミョンホン、チョ・ヨジョン、チョン・ヒョンジュン、イ・ソンギュン、ソン・ガンホ、チョン・ジソ、パク・ソダム
『スキャンダル』
『アイリッシュマン』
『ジョジョ・ラビット』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
スタントアンサンブル賞
★『アベンジャーズ/エンドゲーム』
『フォードvsフェラーリ』
『アイリッシュマン』
『ジョーカー』
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』
【テレビ部門】
男優賞(テレビ映画、リミテッドシリーズ部門)
★サム・ロックウェル『Fosse/Verdon』
マハーシャラ・アリ『TRUEDETECTIVE/迷宮捜査』
ラッセル・クロウ『TheLoudest Voice(原題)』
ジャレッド・ハリス『チェルノブイリ』
ジャレル・ジェローム『ボクらを見る目』
女優賞(テレビ映画、リミテッドシリーズ部門)
★ミシェル・ウィリアムズ『Fosse/Verdon』
パトリシア・アークエット『The Act(原題)』
トニ・コレット 『アンビリーバブル たった1つの真実』
ジョーイ・キング『TheAct』
エミリー・ワトソン『チェルノブイリ』
男優賞(ドラマ部門)
★ピーター・ディンクレイジ『ゲーム・オブ・スローンズ』
スターリング・K・ブラウン『THIS IS US/ディス・イズ・アス』
スティーヴ・カレル『ザ・モーニング・ショー』
ビリー・クラダップ『ザ・モーニング・ショー』
デヴィッド・ハーバー『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
女優賞(ドラマ部門)
★ジェニファー・アニストン『ザ・モーニング・ショー』
ヘレナ・ボナム=カーター『ザ・クラウン』
オリヴィア・コールマン『ザ・クラウン』
ジョディ・カマー『キリング・イヴ/Killing Eve』
エリザベス・モス『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
男優賞(コメディ部門)
★トニー・シャルーブ『マーベラス・ミセス・メイゼル』
アラン・アーキン『コミンスキー・メソッド』
マイケル・ダグラス『コミンスキー・メソッド』
ビル・ヘイダー『バリー』
アンドリュー・スコット『Fleabag フリーバッグ』
女優賞(コメディ部門)
★フィービー・ウォーラー=ブリッジ『Fleabag フリーバッグ』
クリスティナ・アップルゲイト『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』
アレックス・ボースタイン『マーベラス・ミセス・メイゼル』
レイチェル・ブロズナハン『マーベラス・ミセス・メイゼル』
キャサリン・オハラ『シッツ・クリーク』
アンサンブル賞(ドラマ部門)
★『ザ・クラウン』
マリオン・ベイリー、ヘレナ・ボナム=カーター、オリヴィア・コールマン、チャールズ・ダンス、ベン・ダニエルズ、エリン・ドハティ、チャールズ・エドワーズ、トビアス・メンジーズ、ジョシュ・オコーナー、サム・フィリップス、デヴィッド・リントール、ジェイソン・ワトキンス
『ビッグ・リトル・ライズ』
『ゲーム・オブ・スローンズ』
『ハンドメイズ・テイル/侍女の物語』
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
アンサンブル賞(コメディ部門)
★『マーベラス・ミセス・メイゼル』
キャロライン・アーロン、アレックス・ボースタイン、レイチェル・ブロズナハン、マリン・ヒンクル、ステファニー・スー、ジョエル・ジョンストン、ジェーン・リンチ、リロイ・マクレーン、ケヴィン・ポラック、トニー・シャルーブ、マチルダ・シダギス、ブライアン・タランティーナ、マイケル・ゼゲン
『バリー』
『Fleabag フリーバッグ』
『コミンスキー・メソッド』
『シッツ・クリーク』
スタントアンサンブル賞
★『ゲーム・オブ・スローンズ』
『GLOW: ゴージャス・レディ・オブ・レスリング』
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』
『ウォーキング・デッド』
『ウォッチメン』
(フロントロウ編集部)