コービー・ブライアントを追悼
授賞式当日、NBAのロサンゼルス・レイカーズにかつて所属していたコービー・ブライアントがヘリコプターの墜落事故で死去。授賞式の会場となったステイプルズ・センターはレイカーズの本拠地ということもあり、今回の式典は追悼ムード一色に包まれた。
米E!Newsによると、テレビ放送が始まる前に会場で「黙とう」が捧げられたほか、授賞式の司会を務めるシンガーのアリシア・キーズは、授賞式の冒頭でお悔やみの言葉と言うと、急きょボーイズⅡメン(Boyz Ⅱ Men)とアカペラで「イッツ・ソー・ハード・トゥ・セイ・グッバイ・トゥ・イエスタデイ(It's So Hard to Say Goodbye to Yesterday)」のパフォーマンスを披露し、元NBAのスーパースターの早すぎる死を惜しんだ。
さらに、この日パフォーマンスを披露したリゾやリル・ナズ・X、RUN-D.M.C.、DJキャレド、ジョン・レジェンドといった多くのアーティストが、それぞれパフォーマンスを通じてコービーを追悼した。
ビリー・アイリッシュが主要4部門を総なめ
今回のグラミー賞で6部門にノミネートされていた18歳の新星シンガー、ビリー・アイリッシュが、「年間最優秀レコード賞」「年間最優秀アルバム賞」「年間最優秀楽曲賞」「最優秀新人賞」からなる主要4部門を総なめにし、トータルで5冠を達成。1人のアーティストが主要4部門を制覇するのは、1981年に「セイリング」が高評価されたクリストファー・クリス以来2人目で、同時にビリーは、テイラー・スウィフトが保持していたグラミー賞最優秀アルバム賞の最年少受賞記録も塗り替えた。
ちなみに、「年間最優秀アルバム賞」の受賞者が発表される際、すでにこの時点で3冠を達成していたビリーは、「お願い、私じゃありませんように。お願いだから」となんとも謙虚な言葉をつぶやいていた。
“Please don’t be me. Please.”
— Joey Nolfi (@joeynolfi) January 27, 2020
Billie Eilish being genuinely disgusted by her own success is one of the most hilarious things I’ve ever seen at a major awards show. #Grammys pic.twitter.com/A7iSCVta2N
カミラ・カベロと父親の絆にもらい泣き
残念ながら今回のグラミー賞では無冠に終わったカミラ・カベロが、大切な父親に「あなたこそが、私を本当に愛した最初の男の人」と歌った楽曲「ファースト・マン(First Man)」を本人の目の前で熱唱。カミラの父は目に涙を浮かべながら、愛娘の歌声に聞き入った。
授賞式にはカミラの恋人で同じくシンガーのショーン・メンデスも出席していたが、今回はカミラが父親を同伴していたため、レッドカーペットでも会場のなかでも別々だった。
リル・ナズ・XとBTSが多様性を表現
2019年にカントリーラップソング「オールド・タウン・ロード(Old Town Road)」で一世を風靡したリル・ナズ・Xが、同曲でコラボしたカントリーシンガーのビリー・レイ・サイラス、韓国出身のボーイズグループの防弾少年団(BTS)、さらに名前が同じラッパーのナズとコラボして一夜限りのスペシャルなステージを披露。
カントリーミュージック、ヒップホップ、K-POPを盛り上げる、多様なバックグラウンドを持つアーティストたちが揃ってひとつの楽曲を披露したことが、“ダイバーシティを体現している”と高く評価された。
故ニプシー・ハッスルがグラミー初受賞
2019年に銃撃事件に巻き込まれて亡くなったラッパーのニプシー・ハッスルが、初のグラミー賞を受賞。残念ながらそれを受け取ることなくこの世を去ったニプシーの代わりに、授賞式では彼のパートナーと祖母がステージに上がりスピーチを行なった。
ちなみに、今回グラミー賞を受賞した楽曲「ハイアー(Higher)」でコラボしたDJキャレドとジョン・レジェンドが、ミーク・ミルやロディ・リッチ、YGとともに披露した追悼パフォーマンスでは、ニプシーに加え、コービーの顔写真もバックスクリーンに映し出された。
デミ・ロヴァ―トが完全復活
2018年7月に薬物の過剰摂取による意識不明の重体で病院へ搬送されて以来、活動を休止してリハビリに専念していたデミ・ロヴァートが、今回のグラミー賞授賞式で、騒動後初めて公の場でパフォーマンスを披露。復帰後初の舞台で披露した「エニワン(Anyone)」は、デミが薬物の過剰摂取で倒れる数日前に書かれた曲で、今になって聞くとデミが誰かに助けを求める内容になっている。
デミの力強いパフォーマンスはコチラから。
アリアナ・グランデが曲の歌詞を変更
大ヒットシングル「サンキュー、ネクスト(Thank U, Next)」のパフォーマンスを行なったアリアナ・グランデが、同曲の歌詞の一部を変更。元々、「父に感謝するわ/だって色々とあったおかげで彼女(自分のこと)は成長できたから」という歌詞だった箇所を、父親との関係が改善したことをうけて、「父に感謝するわ/だって彼は最高だから」という歌詞に変えた。
彼女の母親のジョアン・グランデと父親のエドワード・ブテラは、アリアナがまだ10歳にも満たなかった2003年に離婚。母のもとで育ったアリアナは、しばらくの間、エドワードとは疎遠だったが2016年に再会を果たし、以降、たびたび交流を続けていた。さらに、今回のグラミー賞授賞式には、初めて離婚した両親を伴って出席した。
(フロントロウ編集部)