『ジョーカー』のクオリティを上げた音楽
2020年度の第92回アカデミー賞で、映画『ジョーカー』の音楽を担当したヒルドゥル・グーナドッティル氏が、女性で初めて作曲賞を受賞する快挙を達成した。
『ジョーカー』の音楽といえば、アーサー・フレックがジョーカーへなっていく様を、チャールズ・チャップリンの「スマイル」や、フランク・シナトラの「センド・イン・ザ・クラウンズ」、クリームの「ホワイト・ルーム」などのBGMや、アーサーの心や社会の闇を反映したようなダークなオリジナル音楽が盛りたて、作品のクオリティを高めるのに必要不可欠な要素だった。
そんな『ジョーカー』の音楽を担当したグーナドッティル氏は、受賞スピーチで、天国にいる両親に愛のメッセージを贈ったあと、世界の女性たちへ呼びかけた。
「身体の中で音楽が弾けている女の子たちや女性たち、お母さんたちや娘たち、声を上げてください。私たちは、あなたの声を聞く必要がある」
そう言って、深くお辞儀をしたグーナドッティル氏。
女性の存在感を示すことが大切だという彼女は、過去に米The Wrapにこう語っている。
「素晴らしい女性たちを見て育って、女性に出来ないことがあるだなんて考える理由はありませんでした。でも、映画や音楽の世界では、あまり女性を見かけません。多分、業界自体が女性を雇うことを考えないのでしょう。悪意からではなく、(業界の中で)女性を見かけないから」
(フロントロウ編集部)