自殺により亡くなった英人気タレントのキャロライン・フラックが、自らの命を絶つ前日に彼女の母親宛てに送ったという長文メッセージが公開。そのあまりにも悲痛な内容に考えさせられる。(フロントロウ編集部)

死因が判明

 英現地時間2月15日にイギリス・ロンドンの自宅で亡くなっているのが発見された英人気タレントのキャロライン・フラック(享年40歳)。

 ボーイズ・グループ、ワン・ダイレクション(以下1D)らを輩出した英人気音楽オーディション番組『Xファクター』やイギリスでカルト的人気を誇る恋愛リアリティ番組『Love Island UK(ラブ・アイランド)』のホストを務めたことで知られる彼女の死は、当初、家族により「自殺」とだけ明かされたが、それから数日が経った水曜日、現地検視官により、正確な死因は首を吊ったことによる自殺だったことが告げられた。

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 キャロラインは、昨年12月に恋人でテニス選手のルイス・バートンをランプで殴った暴行罪の容疑で逮捕・起訴。3月4日から始まる裁判を待っているところだった。

 キャロラインは自身にかけられた容疑を否認していたが、被害者のルイスは“暴行を受けた”と証言。彼女を擁護する声は少なく、おもに国内のメディアから激しいバッシングを受けたことで、深く悩んでいたとされる。

 キャロラインは、この事件が原因で、5シーズンにわたって司会を務めていた『Love Island UK』も降板せざるを得なくなるなど、キャリアの危機に瀕していた。

画像: 順調に交際していた頃のキャロラインとルイス。

順調に交際していた頃のキャロラインとルイス。

 キャロラインの訃報を受け、『Xファクター』への出演で交流があった1Dのナイル・ホーランが彼女を死に追いやったとされる英メディアの過熱報道をツイッターを通じて痛烈に批判

画像: ナイル・ホーラン。「タブロイド(新聞や週刊誌)はどんな死に方をしようと、いかなる場合もその責任を絶対に負わない。記事の閲覧数や賃金のためだけにひどい記事を書いた記者たちのことをとても残念に思う」とキャロラインをバッシングしたメディアを批判し、彼女の死の責任は社会全体にあると綴った。

ナイル・ホーラン。「タブロイド(新聞や週刊誌)はどんな死に方をしようと、いかなる場合もその責任を絶対に負わない。記事の閲覧数や賃金のためだけにひどい記事を書いた記者たちのことをとても残念に思う」とキャロラインをバッシングしたメディアを批判し、彼女の死の責任は社会全体にあると綴った。

 さらに、2011年に短期間ながらキャロラインと交際していた同じく1Dのハリー・スタイルズは、彼女の死については口をつぐんでいるものの、18日に行なわれたブリット・アワードのレッドカーペットに喪章とみられる黒いリボンをつけて登場したことで、キャロラインへの追悼の意を表したと言われている。

画像: ブリット・アワードに登場したハリー・スタイルズ。胸のあたりには黒いピンクのリボンが。

ブリット・アワードに登場したハリー・スタイルズ。胸のあたりには黒いピンクのリボンが。


死の直前に母に送ったメッセージが公開

 国内外の著名人たちからもキャロラインの死を悼むコメントが相次ぐなか、彼女の母親が、死の前日に受け取ったというキャロラインからの長文メッセージを英Eastern Daily Pressを通じて公開。

 それは、キャロラインが自身の身の潔白を主張し、現在のつらい心境を吐露するためにSNSに投稿したいと熱望していたものの、裁判において不都合になるという理由からアドバイザーたちから公開を止められていたという文章だった。

 フロントロウでは、あまりにも悲痛だと多くの人々が涙している、キャロラインのメッセージの内容を全文訳で紹介する。

多くの人たちにとって、暴行罪で逮捕されるということは、精神的な気づきのようなものを得るための極端な方法の1つなのかもしれません。しかし、私にとっては、もう普通のことのような感覚です。
 私はこれまでの人生において、ずっと、自分の身に降りかかるストレスの数々にスヌーズボタンを押し続けてきました(※)。10年以上にわたり、自分の人生に対して浴びせられる侮辱や有害な意見は、自分がしている仕事の代償なのだと受け入れ、文句ひとつ言わずにやってきました。
 まるでカーペットの下に掃いて埃を隠すかのように、そうやって、問題をずっとうやむやにし続けていることの欠点は…実際には、問題はずっと消えずにそこにあり、いつか誰かがそのカーペットを持ち上げたときに、また再び侮辱や恥ずかしさを感じることになるということです。

 2019年の12月12日、私はボーイフレンドに対して暴行をはたらいた罪で逮捕されました。24時間以内に私の世界と未来は根こそぎ奪われ、私がこれまでじっくりと時間をかけて築いてきた周囲の壁は崩れ落ちました。私はこれまでとはまったく違う種類のステージに立たされ、みんながその一部始終を眺めていました。
 あの夜起こったことに関して、私はずっと責任を負ってきました。その当夜でさえも。でも、真実は…あれは、事故だったのです。

 私はとても長い間、情緒不安定な状態に悩まされています。でも、私はDV加害者ではありません。私たちは口論になり、そして、事故が起きたのです。あれは事故でした。誰かが新聞に“売った”血(の写真)は、彼ではなく私の血です。あれはとても悲しく、とてもパーソナルなものでした。
 私が今日、事件について語ろうと思ったのは、私の家族はもうこれ以上、耐えることができないからです。私は仕事を失い、家を失い、発言力も失いました。真実は私の手から奪い取られ、娯楽のために使われました。
 毎日身を隠し、何も言わず、誰とも話をするなと言われながら暮らすことなんてできません。私のせいで迷惑をかけてしまった家族や辛い思いをさせてしまった友人たちには、本当に申し訳なく思っています。
 「自分のキャリアを取り戻したい」なんて思っていません。私が思っているのは、自分と自分の家族の人生を取り戻したいということだけです。それ以上は何も言えません。
※問題解決をずっと先延ばしにしてきたという意味

 キャロラインの母親のクリスは、娘の最後のメッセージを公開しようと決意した理由について、「世の中には事実では無い情報がたくさん出回っています。でも、彼女が感じていたのはこういうことだったんです。私と私の家族は、人々に彼女の言葉を読んでもらいたい。キャロラインは愛と友人に囲まれていました。でも、今回の件は、酷すぎました」と、娘の無念を少しでも晴らしたかったと語った。

画像: キャロラインの遺体が見つかった自宅前には、ファンたちからたくさんの花や別れの手紙が手向けられた。

キャロラインの遺体が見つかった自宅前には、ファンたちからたくさんの花や別れの手紙が手向けられた。

 メディアによるバッシングを苦にして命を絶ってしまったとされるキャロラインの死をきっかけに、イギリス国内では、彼女の名のもとに、メディアがセレブリティたちのメンタルヘルスに害を及ぼしかねない有害な情報を開示することを禁止する法律を求めるオンライン署名運動がスタート。19日の時点で59万件を超える署名が集まっている。

悩みを抱えて相談を必要としている方へ
日本いのちの電話連盟
0570-783-556(10~22時)
www.inochinodenwa.org

(フロントロウ編集部)

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