新型コロナウイルスによって閉鎖された各国で、空気汚染の大規模な現象が確認された。(フロントロウ編集部)

イタリアを上空から見ると…

 欧州宇宙機関(European Space Agency)が、2020年1月1日から3月11日まで、人工衛星から撮影したイタリアの様子を公開した。とくに二酸化窒素の排出量を映し出しているこの映像では、当初真っ赤だったイタリア北部が、3月に入り黄色に落ち着いている過程が確認できる。

 この衛星プロジェクトのマネージャーであるクラウス・ツェナー氏は、「イタリア北部のポー平原における二酸化窒素排出量の低下は、とくに明らかです。雲が覆い隠したり、気候の変化で多少の変化があるにしても、ここで確認できる排出量の減少は、イタリアにおける都市の封鎖と一致し、交通の混雑や工業的活動が少なくなったことが引き起こしたと考えられます」とコメント。

中国でも同様のことが起こっている

 新型コロナウイルスが初めに発生した中国は、武漢を中心に、大規模な都市封鎖や、個々での自宅待機を徹底してきた。これによって、空気汚染が低減したことが確認されている。Centre for Research on Energy and Clean Airのアナリストリーダーであるラウリ・ミルヴィエルタ氏が、カナダのCBCニュースに2月終わりに話したところによると、中国の二酸化炭素排出量が3週間で約25%も減少したという。

画像: 人影がない中国の北京。(2020年3月6日撮影)

人影がない中国の北京。(2020年3月6日撮影)

 中国は、3月に入ってから新型コロナウイルスの感染者が減少傾向に転じており、新規感染者が出てない地域も。治療を受けている患者数も1万人をきったことが確認されている。しかし一方で、世界各国では感染が拡大しており、アメリカでは3月13日に国家非常事態宣言が出された。

 俳優のトム・ハンクスイドリス・エルバ、クリストファー・ヒヴュやオルガ・キュリレンコの感染が確認されており、シンガーのテイラー・スウィフトやアリアナ・グランデ、ビリー・アイリッシュが、新型コロナウイルスを軽視する人々に向けて、責任を持って行動するよう呼びかけている。(フロントロウ編集部)

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