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児童小説『ハリー・ポッター』シリーズの原作者である作家のJ.K.ローリングが、休校措置により外出自粛・自宅学習を余儀なくされている子供たちのために、“異例の対応”を発表した。(フロントロウ編集部)

『ハリー・ポッター』著者が「粋な計らい」

 シリーズ累計世界興行収入が77億ドル(約8,530億円)を超える大ヒット映画シリーズ『ハリー・ポッター』の原作となった児童文学・ファンタジー小説『ハリー・ポッター』の原作者として知られるイギリス人作家のJ.K.ローリングが、キャリア史上初となる決断をした。

 その決断とは、母国イギリスを含むヨーロッパにまで感染の魔の手が広がる新型コロナウイルスの影響で、学校が閉鎖され、外出自粛・自宅学習を強いられている子供たちや、そして、そんな子供たちに少しでも良質な遠隔授業を届けようと尽力している教師たちを支援するための粋な計らい。

画像: J.K.ローリング氏

J.K.ローリング氏

 ローリング氏は、公式ウェブサイトを通じて、教師たちが『ハリー・ポッター』シリーズの第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』から第7巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』までの全巻を教材として活用できるよう、著作権の制限を一時的に取り払うことを発表。

 学校内のオンライン・ネットワークや一般には非公開の教育プラットフォームに限り、教師たちが『ハリー・ポッター』シリーズを使った読み聞かせ動画などを撮影して投稿したり、ライブ配信で朗読を行なったりすることを許可した。

 初の試みとなる『ハリー・ポッター』シリーズの教材使用は、3月20日から開始しており、欧米においては学期末にあたる6月末、オーストラリアをはじめとする南半球の諸国では7月末まで許可される。

 利用規約を説明する別途ガイドラインでは、著書の物語を省略したり、変更したりしないこと、期間終了後には直ちに動画を削除することなど、作品を守るための厳しい規定が綴られている。


ほかのプロジェクトも準備

 さらに、公式ウェブサイトの記載によると、ローリング氏は、これ以外にも、休校中の子供たちをサポートするためのいくつかのプロジェクトを用意しているそう。「#HarryPotterAtHome(ハリー・ポッター・アット・ホーム)」と名づけられたこれらのプロジェクトの内容は、追って告知される。

 同シリーズのスピンオフ作品である『ファンタスティック・ビースト』に関しては、現時点では教材使用許可等の特別措置は発表されていない。

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、世界各国の小中高大学にくわえ、保育園や幼稚園などでも行なわれている休校・休園措置。『ハリー・ポッター』のお膝元であるイギリスでは、今のところ、休校措置は無期限で続けられることが発表されており、学校再開の目途は立っていない。(フロントロウ編集部)

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