自主隔離中にも映画制作
ホラー映画『ライト/オフ』やDCコミックス映画『シャザム!』などのデヴィッド・F・サンドバーグ監督が、新型コロナウイルスによる自主隔離中に家で制作した新作映画『シャドウド(Shadowed)』を公開。
公開された映像は3分間という超短編。「部屋を暗くして大音量で見てね」という注意書きが書かれている。
主役を演じるのは、デヴィッドの妻で俳優のロッタ・ロステン。彼女が夜更けにベッドルームで読書していると、突如電気が消え、どこからともなくミシ…ミシ…と何かが軋む音が。彼女は焦った様子でサイドテーブルから懐中電灯を取り出し辺りを照らすと、「できるはずのない場所」に花瓶の影が浮かび上がっていることに気づく。さらに、背後に気配を感じて振り向くと、そこには不気味すぎる影が…。ロッタの身体に緊張が走り、思わず息を潜めるも、さらなる恐怖が彼女を襲う。
たったの3分間しかないのに張り詰めた緊張感があり、家に何かいるという設定だけに、自宅待機中に見ると後に響きそうな怖さ。
この動画は、撮影や編集など全て自宅で行われている。撮影にはポケットサイズの4Kカメラが使われ、編集にはAdobeのソフト、アフターエフェクトとブレンダーを使ったと監督自ら明かしている。
ちなみに本作は映画『ライト/オフ』の関連作品という位置づけであることもわかっているので、まだ『ライト/オフ』をみていない人はこの機会に見てみてはいかが?
また、デヴィッドは本作のメイキングをまとめ、動画をアップロードして解説をしてくれている。まるで映画の授業のような丁寧さなので、興味がある人は是非チェック!英語のみにはなってしまうけれど、デヴィッドのツイッターや動画のコメント欄で質問をすれば、答えてくれるかもしれない。
ロッタが漏らした一言に考えさせられる
短編映画『シャドウド』は、公開と同時にたちまち拡散され、大きな話題となった。家で作ったとは思えないようなクオリティの高さや、たったの3分間にもかかわらず怖すぎるホラー映画に仕上がっているところが評価され、海外メディアはこぞって本作を取り上げた。
しかし、主人公のロッタはメディアでの取り上げられ方について、自身のツイッターでこう不満を漏らした。
「何度も何度も起こってイライラしていること。ショートフィルムについて書かれている記事で、私は名前ではなく「妻」とだけ書かれています。どうしてまだこんなことがあるの?」
ロッタはスウェーデンで女優として活動しているほか、デザイナーかつフォトグラファーとしての顔も持っている。デヴィッドの監督映画『ライト/オフ』や『シャザム!』はもちろん、映画『アナベル 死霊人形の誕生』などにも出演し、精力的に活動している。
恐怖が全身から満ち溢れるような彼女の演技は今回のショートフィルム『シャドウド』を何倍も怖くしていて、最もなくてはならない要素。それにもかかわらず、多くの海外メディアが彼女を「妻」とだけ表現して評価しなかった。
今回『シャドウド』を発表したのはデヴィッドではあるけれど、あくまでも本作はロッタとの共同制作。ロッタが自ら疑問と感情を表したことで、「妻」である前に「役者」であることへの敬意の大切さを考えさせられる結果となった。(フロントロウ編集部)