レディー・ガガ主導、歴史に残るバーチャル・コンサートが開催
新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大との闘いを支援する目的で非営利団体のグローバル・シチズン(Global Citizen)と世界保健機関(WHO)がタッグを組んで4月19日に開催するグローバル・ストリーミング・コンサート『ワン・ワールド:トゥギャザー・アット・ホーム(One World: Together at Home)』。
シンガーのレディー・ガガがキュレーターを務める同イベントには、ポール・マッカートニー、ビリー・アイリッシュ、エルトン・ジョン、スティーヴィー・ワンダー、テイラー・スウィフト、セリーヌ・ディオン、カミラ・カベロ、ショーン・メンデス、リゾ、ジョン・レジェンド、アリシア・キーズ、クリス・マーティン、キース・アーバン、ファレル・ウィリアムス、ビリー・ジョー・アームストロング、ロックバンドのローリング・ストーンズほか超豪華アーティストが出演。
さらに、新型コロナウイルスに感染したことを公表したイギリス人俳優のイドリス・エルバのほか、大物司会者のオプラ・ウィンフリー、サッカー元英代表のデイビッド・ベッカムとその妻のヴィクトリア・ベッカム、映画『アベンジャーズ』シリーズの俳優サミュエル・L・ジャクソン、映画『ブラック・パンサー』の俳優ルピタ・ニョンゴ、映画『007』シリーズでボンド役を務めた俳優のピアーズ・ブロスナン、ドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の俳優サラ・ジェシカ・パーカー、F1レーサーのルイス・ハミルトン、女子テニスの大坂なおみ選手ら各界からの著名人の出演も発表されている。
世界が1つに「垣根」を越えた試み
先日、ガガとのテレビ電話で、約11億円(1000万ドル)の寄付を約束したアップル社にくわえ、コカ・コーラ、ペプシ、IBM、ジョンソン・エンド・ジョンソン、P&Gといった世界有数の大企業が協賛した『ワン・ワールド:トゥギャザー・アット・ホーム』。
さらには、アメリカの大手放送局CBS、ABC、NBCでの生放送のほか、MTV、アマゾンプライムビデオ、英BBCミュージックといったプラットフォームやYouTube、Facebook、Instagram、Twitter、TwitchといったSNSでも世界同時配信される。
「ワン・ワールド(1つの世界)」というタイトルに呼応して、企業や放送局が“垣根”や“しがらみ”を超越して結託するこのチャリティ・コンサートのすごいところは、イベント開催が告知された時点で、すでに企業のリーダーや慈善家ら総額約37億円(3500万ドル)もの寄付金を集めていたということろ。さらに、4月17日に行なったプレス向けのビデオ通話による会見で、ガガは、寄付金の合計額が5000万ドル(約53億円)を突破したことを報告している。
新型コロナ禍で職を失ったり、経済的に打撃を受ける人が多いなか、寄付を行いたいという気持ちはあっても、思うようにはできないという人もいる。
番組では、WHOが設立した基金「COVID-19 Solidarity Response Fund」への寄付が呼びかけられるが、まずは、“出せるところ=大企業や富裕層”から募金してもらい、その後は、企画に賛同してくれた一般視聴者にも、できる範囲で協力してもらえればいいといった、コロナ禍の人々の経済状況を考慮したスタンスをとっている。
その証拠に、ガガも米トーク番組『ザ・トゥナイト・ショー』を通じて、『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』について告知した際、ライブを見るときは、「財布もクレジットカードも片付けて、リラックスして、ただ、ショーを楽しんでください」とコメントしている。
支援する団体は77以上!ガガの社会貢献がスゴすぎる
『ワン・ワールド:ワン・ワールド:トゥギャザー・アット・ホーム』の企画・開催にあたり、キュレーターとして、出演アーティストのラインナップから資金調達、音楽面におけるクリエイティブな局面もふくめて、グローバル・シチズンのチームと協力してあらゆる部分に注力したというガガ。
彼女がここまで大規模なイベントを主導できたのは、これまでに行ってきた数えきれないほどの社会貢献や慈善活動によって築き上げた人望やコネクション、チャリティに関する知識があったからこそ。
セレブの慈善活動に関する情報を集約する米チャリティ情報サイトLookToTheStars.orgのリストアップによると、ガガが現時点で支援する団体の数は、なんと77団体!
これには、自身が2012年に設立した、いじめ撲滅や若者の権利と平等を支援する「ボーン・ディス・ウェイ財団」も含まれるが、それ以外にも、支援していない分野がないのではないかというほど、多岐にわたる慈善活動に熱心に取り組んできた。
<レディー・ガガによる社会貢献>
LGBTへの理解と支援、いじめ問題への支援、貧困・ホームレス問題への支援、エイズ患者の治療・研究への支援、災害復興支援、薬物中毒者の更生・社会復帰支援、DVや児童虐待被害者への支援、若年層の障碍者支援、がん患者支援、子供の人権・児童虐待問題への支援、アーティストの権利・活動支援、うつ病・自殺問題への支援、アルツハイマー型認知症の患者・研究支援、教育システムの支援、緊急サービス支援、環境問題に関する支援、女性の権利問題・性差別問題への支援、レイプ・セクハラ被害者への支援、銃規制に関する支援、失業者への支援
そして、私たちは、ガガが、2011年に起きた東日本大震災の際にも、真っ先に救いの手を差し伸べてくれたことも忘れてはならない。
震災発生後、すぐに復興支援ブレスレットをデザインしたガガは、その収益1億2千万円以上を寄付。さらに、個人としてもそれと同等の額を寄付し、総額2億4千万円以上にもおよぶ復興資金を提供してくれ、その後も事あるごとに、激励のメッセージを送り続けてくれた。
ガガの母親が「重要な役割」を果たす
『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』の実現の裏では、ガガの母シンシア・ジャーマノッタも重要な役割を果たしている。
ガガと同じくチャリティ活動に熱心で、ボーン・ディス・ウェイ財団の理事長を務めているシンシアは、WHOの公式親善大使でもある。彼女がまずWHOのテドロス・アダノム事務局長と電話で話し、その後、ガガとテドロス事務局長を繋いだことがきっかけで、今回の一大プロジェクトが大きく前進した。
ガガにくわえ、グローバル・シチズンが毎年開催しているチャリティ音楽イベント「グローバル・シチズン・フェスティバル」の常連であるクリス・マーティンやジョン・レジェンドも、さまざまな意見を出し、『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』の企画に貢献した。
「ガガにノーベル平和賞を!」
楽曲はもちろん、奇抜な衣装やパフォーマンスを通じて社会風刺的なメッセージを発信しているガガ。アーティストとしての活動はもちろん、その一方で世界屈指のチャリティ活動家として、世界平和に向けてありとあらゆるアングルからはたらきかけてきた。
そんな彼女の現在までの活動の集大成とも呼べる『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』の開催に先がけ、ガガの功績を称えて、ぜひ、彼女にノーベル平和賞を授与して欲しいといった声がSNS上で相次いであがっている。
@NobelPrize I'm gonna @ you every day to remind you that @ladygaga deserves the Nobel Prize. Give her what she deserves.
—Chromatica(@thegagaunderyou) April 13, 2020
Someone give Lady Gaga a Nobel Prize #LadyGaga #NobelPrize pic.twitter.com/ozdvXXlzpd
— Ernesto⚪(@Ernestovqz09) April 11, 2020
"How Lady Gaga became the Face of COVID-19 Relief" - Vogue
— Josué Monster (@EmoJoshy1) April 12, 2020
"Lady Gaga among music's philanthropic heroes during the coronavirus pandemic" - Variety@NobelPrize, we're waiting for her honorhttps://t.co/mZQPCw2F1W pic.twitter.com/EGeazzHLVw
もちろん、『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』の開催は、決してガガの独力で成し得るものではないが、彼女の扇動力がたくさんの人々の心を動かし、結びつけ、そして、さらに大きな輪を広げようとしていることは間違いない。
『ワン・ワールド・トゥギャザー・アット・ホーム』のライブ配信は、日本時間の4月19日午前3時~午前9時までがプレイベントパート、午前9時~午前11:00がコンサートパートとして、YouTube、Facebook、Instagram、Twitter、Hulu、Amazon Prime Videoなどで世界同時生配信される。
さらに、19日午前1時半からは、フジテレビ(関東ローカル)で日本語字幕版が地上波放送。同社の動画配信サービスFODとCS放送のフジテレビNEXTライブ・プレミアムでは、19日午前9時からのライブパートが生配信&生中継される。(フロントロウ編集部)