経済活動再開で起こり得る“最悪の事態”を指摘
未だ新型コロナウイルスの感染拡大が続くアメリカで、ジョージア州が一部の経済活動を再開させたことに、現在、ジョージア州アトランタで暮らすラッパーのカーディ・Bが強い懸念を示した。
自称「政治オタク」で、意外にも学生時代に好きだった教科は「政治学」というカーディは、とくに2018年に長女のカルチャーちゃんを出産してからより一層政治への関心を深めており、新型コロナウイルスをめぐる州政府や地方自治体の対策についても熱心に情報収集をして、時折、自身のSNSで意見を発信している。
今回、ジョージア州が社会的距離の維持や従業員の体調管理を条件に、美容院やスポーツジムなど一部の業種の営業再開を認めたことをうけて、カーディは自身のインスタグラムで「(ジョージア州の)病院はコロナ患者に適切な処置を施すこともできず、患者自身の免疫力を高める飲み物に頼っているような状況にある。あなたの親も祖父母もそしてあなた自身も、最期に愛する人にも会えず、冷たい病院でひとりぼっちで死ぬことになる」と厳しい口調で語り、まだ国内の感染拡大が収まっていない状況で経済活動を再開するのは、時期尚早だと警告した。
ジョージア州では2万人超が新型コロナウイルスに感染しており、死者数も4月26日時点で899人と1,000人に迫る勢いで増え続けている。州は今週からレストランや映画館の営業再開も認める方針を掲げているが、感染者数が減少していない状況での経済活動再開に、カーディのように不安を感じている人は少なくない。
先日、国内全体の死者数が5万人を超えたアメリカでは、依然として40以上の州で住民の外出を制限する措置が取られている。しかし、長引く外出制限によって、中小企業の経営や雇用に深刻な影響が出ていることから、経済活動再開を求めるデモなどの抗議活動が行われるなど、ここにきて徐々に終わりの見えない戦いに痺れを切らす人たちが出始めている。(フロントロウ編集部)