アン・ハサウェイ、マーシャル監督との思い出
アン・ハサウェイの初映画デビュー作であり、アンを一気に人気俳優にした2001年の映画『プリティ・プリンセス』。アメリカのサンフランシスコで芸術家の母と2人暮らしをしていたミアが、突然自分は王女であることを知らされ、自分の周りの環境が変化するなかで努力する様子を描いたキュートな物語で、アンは王女ミアを演じた。
アンは、今作で共演した大御所俳優のジュリー・アンドリュースやゲイリー・マーシャル監督と仲が良いことで知られている。マーシャル監督は2016年に亡くなってしまったけれど、今でも彼との思い出は鮮明に記憶しているよう。「私がゲイリーの好きなところは、彼は自然に起こった瞬間を怖がらないってこと」と、米ABCによるマーシャル監督の追悼映像『The Happy Days Of Garry Marshall(原題)』で話したアンは、『プリティ・プリンセス』のあのシーンは、偶然撮れた映像だったと明かした。
“ミアらしさ”を映したあのシーン
それが起こったのは、ミアが親友のリリーとベンチを上り下りするシーン。
サンフランシスコで撮影したというあのシーンは、撮影前に雨が降っていたという。しかしスタッフがベンチを拭き、そのシーンを撮影する際に、マーシャル監督はアンに、リリー役のヘザー・マタラッツォがベンチの下の段にいる時には上に、そしてそのまま上り下りを繰り返すよう指示。そのまま撮影が開始されたけれど、ある一瞬でアンとヘザーがベンチの同じ段に来てしまった。そこで焦ったアンは、急いで方向転換をして階段を降りようとしたのだけれど、その時…!
そう、あのアンが滑って転ぶシーンは、雨の後で湿ったベンチとアンの焦りが相まって発生したアクシデントだった! 撮影した時には、アンはその映像が本編に使われるとは思っていなかったそうだけれど、マーシャル監督はその映像を「チャーミングな瞬間」だと言ってとても気に入り、本編だけでなく予告編でも使用したほど。予告編を見て、マーシャル監督が映像を使用したことに気がついたというアンにとって、監督の素敵な思い出として心に残るほど嬉しいことだったよう。
2001年に公開された『プリティ・プリンセス』からはすでに約10年が経ち、アンもその後、『レ・ミゼラブル』や『オーシャンズ8』、『レイチェルの結婚』など数々の大ヒット映画に出演してきた。しかし今でも『プリティ・プリンセス』への愛情は深いよう。新型コロナウイルスの影響で外出自粛中に、SNSで流行した「Pillow Challenge(枕チャレンジ)」。枕をドレスに見立てて楽しむこのチャレンジに、あまりSNSを使わないアンも参加。そのモチーフにはもちろん、ミア王女を選んでいた。
(フロントロウ編集部)