DC初のLGBTQ+主人公『バットウーマン』
DCコミックス『バットウーマン』は、レズビアンの主人公ケイト・ケインこと「バットウーマン」が、バットマンがいなくなったゴッサムシティにはびこる悪と戦うスーパーヒーロー物語。
バットウーマンを演じるのは、12歳でレズビアンであることをカミングアウトしたルビー・ローズ。ルビー演じるバットウーマンは、2018年に放送されたDCドラマ『THE FLASH/フラッシュ』、『ARROW/アロー』、『SUPERGIRL/スーパーガール』の各キャラクターが一堂に会したクロスオーバー作品『エルスワールド』で初登場した。
その後、単独ドラマ『バットウーマン』が2019年10月にアメリカでスタートし、DCコミックスとしては初めてのLGBTQ+主人公のドラマとして大きな反響を得た。アクションを得意とするルビーが主人公の本作は人気が高く、既にシーズン2の制作も決定していたが、突如ルビー降板が発表された。
ルビー・ローズ、『バットウーマン』電撃降板
ルビーは米メディアに向けた声明で「私は来季バットウーマンに戻らないという非常に難しい決断をした」「バンクーバーとロサンゼルスの両方で、このショーにかかわっているキャスト、スタッフ、そして全員に最大の敬意を払っているので、これは軽率に決めたことではありません」と説明。そして、『バットウーマン』の制作陣と、DCコミックスの関係者への感謝の意で締めくくった。
ドラマを制作する米CW、米Warner Bros.TV、および米Berlanti Productionsは共同で、「第1シーズンの成功に貢献してくれたルビーに感謝し、彼女の健闘を祈ります。スタジオとネットワークは、『バットウーマン』の第2シーズンと長期的な将来をしっかりと見据えています。私たちは、才能あるクリエイティブチームと共に、今後数か月のうちに、新しい主演俳優とLGBTQコミュニティのメンバーのキャスティングを含む、新しい方向性を共有することを楽しみにしています。」と述べた。
降板の理由は明かされていないものの、少なくともルビーが本作の撮影中に負った大怪我が原因ではないと言われている。
シーズン1は全22話のエピソードを予定して米バンクーバーで撮影が20話まで進められていたけれど、新型コロナウイルス流行の影響によりそれ以上の撮影が困難となり、20話までの短縮放送で終了していた。
本作は、史上初めてLGBTQ+ヒーローが主人公となったドラマとして、アメコミ業界を中心に賞賛を集めた。しかし2018年にルビーがバットウーマン役に抜擢されたとき、近年彼女が自身の性別を明確にしない「ジェンダー・フルイド」であると自認していることで大きな批判が集まり、Twitterアカウントを削除しなければならないほどの状況に陥った。ドラマが始まった後もアンチからの風当たりは強く、米批評サイトRotten Tomatoesでの観客評価は非常に低い支持率となっていた。
今後どの俳優が新しい『バットウーマン』の役を手にするのかはまだ決定していない。シーズン1の日本での放送は、2020年秋が予定されている。(フロントロウ編集部)