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ポップ音楽グループABBAの名曲が印象的なミュージカル『マンマ・ミーア!』の誕生のきっかけは、あまりにも偶然の出来事だった。(フロントロウ編集部)

爽やかなメロディのミュージカル『マンマ・ミーア!』

 『マンマ・ミーア!』は、1999年にニューヨークのウェスト・エンドで初演され、2001年にブロードウェイで公開されたミュージカルで、2008年には映画化もされた。

画像: 爽やかなメロディのミュージカル『マンマ・ミーア!』

 世界的有名ポップ音楽グループのABBAの楽曲に合わせ爽やかなテンポで進んでいく本作は、ギリシャのエーゲ海に浮かぶ架空のリゾート島でホテルを営む娘とシングルマザーのストーリー。結婚式が迫っている娘のソフィーは、父親と共にヴァージン・ロードを歩きたいと考えて、母親の日記を勝手に読んで「父親」候補3人を式に呼び寄せる。会場に現れた三者三様の父候補と再会した親子には、様々な試練が降りかかる。

 1999年に上演されたミュージカル、『マンマ・ミーア!』は、約2,200億円を超えるメガヒットを記録し、その後ミュージカル界の花形、ブロードウェイでも上演された。 

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 2008年に公開された映画版『マンマ・ミーア!』も世界で約670億円もの興行収入をあげる大ヒット。キャストも豪華で、主人公のドナをメリル・ストリープが、ドナの娘ソフィーをアマンダ・サイフリッドが、ドナの元恋人その1のサムをピアース・ブロスナンが、元恋人その2のハリーをコリン・ファースが、元恋人その3のビルをステラン・スカルスガルドが演じ多くのファンの心を掴み2018年には『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』として続編が公開され、主要キャストが続投するという豪華ぶりで多くのファンを楽しませた。

 そんな本作だけれど、実は「ある偶然」が重なって誕生していた。

ABBAを迎えに行った車で意気投合

 『マンマ・ミーア!』は前述の通り、もともと1999年にニューヨークのウエスト・エンドで上演され、大好評を呼んだミュージカル。ABBAの楽曲はこの舞台で使用され、映画版でも使用された。

画像: ABBAを迎えに行った車で意気投合

 実はABBAの楽曲をベースにしたミュージカルが作られることになったきっかけは、ミュージカル『マンマ・ミーア!』をプロデュースしたジュディ・クレイマーが、駆け出しの頃にABBAと同じ車に乗り込んだことが関係していた。当時まだ25歳という若さだったジュディは会議のため、作詞家ティム・ライスから「ABBAを空港に迎えに行ってほしい」と言われ、空港に向かった。

画像: ABBAメンバー

ABBAメンバー

 ABBAは当時人気絶頂にいたスウェーデンの音楽グループで、「ダンシング・クイーン」や「きらめきの序曲」など、様々な名曲を生み出したアーティスト。大ファンだったジュディは、迎えに行った車でABBAメンバーのビョルン・ウルヴァースとベニー・アンダーソンと意気投合。たまたま頼まれたこの“お使い”がきっかけとなり、ジュディは、ビョルン及びベニーと知人になることができた。

 そしてその後、ジュディはABBAの曲の権利を持つこの2人に自身が構想した“ABBAのミュージカルを作る”という考えを提案。必死にプレゼンした結果、ビョルンとベニーのお墨付きをもらうことができて、ミュージカルの制作が決定したという誕生秘話が米Vanity Fairによるジュディのインタビュー記事で明かされた。

 これほどまでに有名な作品だけれど、駆け出しのプロデューサーとABBAが偶然の出会いを果たさなければ『マンマ・ミーア!』は生まれていなかったかもしれない。(フロントロウ編集部)

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