イアン・ホルムズが逝去、享年88歳
『ロード・オブ・ザ・リング』と、その前日譚を描いたスピンオフシリーズ『ホビット』でイライジャ・ウッド演じる主人公フロド・バギンズの養父であるビルボ・バギンズを演じたスコットランド出身の俳優のイアン・ホルムが亡くなったことが先日、イアンのエージェントによって発表された。
エージェントが英The Guardianに出した声明には、「本日朝、サー・イアン・ホルムCBE(※)が88歳にして亡くなったことを非常に悲しく思っております。彼は、病院にて家族と看護者に見守られながら穏やかに息を引き取りました」と、イアンが苦しむことなく安らかに永眠したこと、また彼が患っていた病がパーキンソン病に関連するものだったことも綴られていた。
※大英帝国勲章3位受勲者の意味
イアンはビルボ・バギンズ役のほか、1979年公開のリドリー・スコット監督作『エイリアン』でのアッシュ役、アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた1981年公開の映画『炎のランナー』への出演などで知られている。
ピーター・ジャクソンが追悼
今回、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『ホビット』シリーズで監督を努めたピーター・ジャクソンがイアンの訃報を受けてFacebookを更新。イアンと一緒に写った秘蔵写真を並べながら、彼との思い出を綴った。
「ワンダフルなサー・イアン・ホルム」と題された追悼文のなかで、「サー・イアン・ホルムが亡くなったことに、深い悲しみを感じています。イアンはとても愉快で、寛大な人でした。物静かでありながら、いたずらっ子のようなところがあり、キラキラした目の持ち主だったのです」とピーターは文章を始めて、イアンとの撮影の思い出を振り返った。
追悼文のなかで、ピーターは2012年に公開された『ホビット』シリーズの第1作目となる『ホビット 思いがけない冒険』の撮影を前に、イアンからパーキンソン病を患っていると告白されていたことを明かしている。ピーターによれば、映画の撮影は主にニュージーランドで行なったものの、イアンのシーンは体調を考慮して、彼が住むイギリスで行なったという。
ピーターは追悼文を次のように締めくくっている。「『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』の最後のシーンでのイアンの演技がずっと大好きでした。(※彼のセリフを引用して)『次の冒険への準備ができたようだ』。さようなら、親愛なるビルボ。愛するイアンよ、どうか安全な旅を」。(フロントロウ編集部)