1885年が舞台の『BTTF3』
1985年に公開され、35年が経った今でも人々から愛される映画となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の世界的大ヒットを受け、その5年後に半年の期間を置いて連続で公開された『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』と『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』。2作品は同時に撮影され、1985年の30年後である2015年や、30年前の1955年、さらには100年前の1885年など、様々な時代をタイムトラベルするマーティ・マクフライとドクの姿を描いた。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』といえば、おもに1885年が舞台で、西部劇へのオマージュも多く取り入れられている。そんな1885年でも、本シリーズの嫌われ者であるビフの先祖ビュフォード・タネン(マッド・ドッグ)が登場し、マーティとドクを襲う。ビュフォード役は、もちろんお馴染みのトーマス・F・ウィルソン。
しかし、そんなビュフォードの狂暴さが行き過ぎて、マーティ役のマイケルに笑えないハプニングが降りかかっていた。それは、ビュフォードがマーティを引きずりまわし、マーティの首に縄をかけてぶら下げるシーン。
マイケル・J・フォックス、危機一髪
当初このシーンの撮影では、木の箱を下に置き、マイケルはその上に立っていたそう。しかし「どれだけ体を揺らしても、揺れる動作がリアルじゃなかった。だから箱なしでもやってみると提案した」という。その後撮影は上手くいったかと思われたけれど…?
「その次の数テイクは良かったんだけど、3回目で頭を置く場所を間違えてしまってね。縄が首に巻きついて、絞首台の棒からぶら下がって、私の頸動脈がブロックされてしまった。それによって意識が軽く飛んだよ。ロープの下に引っかかったまま揺れて数秒間気を失ってしまったんだ。(監督の)ゼメキスが…、彼は私のファンだけど、私がそこまで演技の上手い役者ではないと気づくまでね」
自身の自伝である『ラッキーマン』で当時をこう振り返ったマイケル。もちろん命は取り留めたわけだけれど、首を吊られるという方法で意識を失ったうえ、その様子が演技だと思われていたらと考えるとかなり怖いエピソード。このシーンを見る時には、マイケルに何事もなかったことに思わずほっとしてしまうファンも多そうだ。(フロントロウ編集部)