ピアース自身は“5作目”もやる気満々だった
『007 ゴールデンアイ』『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』『007 ワールド・イズ・ノット・イナフ』『007 ダイ・アナザー・デイ』の4作品で主人公のジェームズ・ボンドを演じた俳優のピアース・ブロスナンが、「降板」を知らされた時のことを英The Guardianのインタビューで振り返った。
ピアースいわく、彼自身は続投する気満々で5作目への意欲を見せていたが、ある日、彼のもとにかかってきた1本の電話によって、その後の人生が大きく変わることに。
「クビにされた気分だった」。プロデューサーからの電話でジェームズ・ボンド役の交代を知らされた際、ひどくショックを受けたことを明かしたピアース。しかし、時の流れとともに考え方や心境に変化があったそうで、「後悔はないよ。私の人生に“後悔”の文字はない。後悔しても惨めになるだけだし、より一層悔いが残ることになるだけだ」と、まるで映画の名台詞のようなカッコイイ言葉を残した。
また、5代目ジェームズ・ボンドに抜擢されたことは、彼の俳優人生に大きな功績をもたらしてくれたそうで、「私にとってボンド役は俳優としての素晴らしいキャリアを与えてくれた“ギフト(贈り物)”だ。(たとえ降板しようと)一度、与えられたボンド役の称号は、永遠に失われることはない。だからこそ、辞める時は潔く去るべきだし、そのことをちゃんと理解してジェームズ・ボンドに別れを告げる必要がある」と語った。
ちなみに、今後について、現在67歳のピアースは「(俳優業を)リタイアすることはまったく考えてない」というが、年齢的に演じられる役の設定が限られていることから「もう67歳だから、オファーが来るのは年寄りかコメディ系の役ばかりだろうけどね」と自虐的にコメント。さらに、「現時点で私にできることは、演じることか絵を描くことだけだ」と続けた。
最後に、巷で“イケメンすぎる”と話題の自身の息子たちを含む次代を担う若者たちへの希望を口にしたピアースは、「1番上の息子にこう言われた。『父さんはただの夢想家だ』って。でもその夢が私をここまで連れてきてくれた。だから私はこれからも夢を見続けるし、“私”という存在であり続ける。あとは、ほんの少しだけ与えられた黄金の才能を生かして、最善を尽くすのみ」という言葉でインタビューを締めくくっている。(フロントロウ編集部)