7月12日は、女子が教育を受けることの重要性を世界に向けて訴えかける活動家マララ・ユスフザイの誕生日であり、この日を国連がマララ・デーと制定。女子が教育を受けることができると世界はどのようなに変化するのか。(フロントロウ編集部)

7月12日はマララ・デーでありマララ・ユスフザイの誕生日

 1997年にパキスタンで誕生したマララ・ユスフザイ。彼女は、女子が教育を受けることを認めないイスラム主義組織タリバンが学校などを破壊していることを11歳の頃に英BBCのブログに投稿。その結果、タリバンに目をつけられたマララはスクールバスでの帰宅中に頭部を銃で撃たれて倒れることに。その後イギリスに搬送されたマララは、数日間生死を彷徨った果てに奇跡的に回復。

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 そしてそのままイギリスに残り、タリバンに襲撃された約9ヵ月後、16歳の誕生日の日にニューヨークの国連本部でスピーチを行ない、国連が7月12日をマララ・デーと制定した。

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 マララは女の子たちが安心して学べる環境をつくるためにマララ財団を立ち上げ、2014年に最年少でノーベル平和賞を受賞。2017年にイギリスの名門校であるオックスフォード大学へ入学し、2020年、哲学と政治学と経済学の学位を授与され無事卒業することとなった。

 現在世界では女子が教育を受けられるのは当たり前ではなく、貧困、紛争、性差別などで6歳~17歳の約1億3,000万人もの女子が学校へ通えていない女子の学歴が低いことは本人の人生だけでなく、その次の世代や、その女子が属する家庭、さらにはコミュニティにまで悪影響を及ぼすと、世界銀行やマララ基金が発表している。そのため、マララ基金は教育を受けられない子供たちのサポートをするために動いている。

 実際に女子がきちんとした教育を受けられることができたら、どうなるのか。もし数百万人もの女子が教育を受けることができ、働く女子が増えたら、12兆ドル分の世界的な成長が見られる可能性を秘めている。もし女子が教育を受けることができたら、1学年多く就学するごとに10代での望まない結婚や乳幼児の死亡率が下がるとされている。もし国が全ての子供たちに中学校までの教育を受けさせることができたら、紛争や戦争のリスクを半分まで下げることができると、マララ基金が発表している。

 マララは2019年に来日した際にも「私たちは何百万人もの女の子に、学校に通う機会を与えることができます。そのためには、私たちは行動を起こさなければなりません。10年前、私は彼女たちのうちの1人でした。そして私が疑う余地はないと思っていること、それは、もし今日の女の子たちに投資すれば、想像を超える未来が待っているということです」とスピーチし、いかに女子の教育が大事かを訴えかけた。

画像: 2019年に来日した際のマララ。

2019年に来日した際のマララ。

 マララは、初来日した際には安倍首相と夜ご飯を楽しんだそうで、スピーチでは「昨晩の夕食の時に、大量のワサビを誤って食べてしまった私に優しく対応してくださった首相と夫人に感謝します。こんな味のものは初めて!私の目からは水が零れ落ち、著名な人たちの前で落ち着きを保つのに苦労した」と、自虐ネタを披露。また、オックスフォード大学を卒業したことをインスタグラムで伝えた時にも「今後の予定はわからないけれど、今はNetflixと読書と睡眠をとる」と、現代っ子らしい一面を覗かせた。

 これからも女子たちが教育を受けられるために闘うマララ。7月12日のマララ・デーは、女子の教育についてもう一度よく考えるいい機会にしたい。(フロントロウ編集部)

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