ジョニー・デップの元妻アンバー・ハードが証言台へ
映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』などで知られる俳優のジョニー・デップが、自身を「Wife Beater(妻を虐待する者)」と呼んだイギリスの大衆紙The Sunの発行元である出版社New Group Newspapersを名誉毀損で訴えている裁判で、ジョニーから複数回にわたってDV(家庭内暴力)を受けたと主張している映画『アクアマン』の俳優アンバー・ハードが、被告側の証人としてついに証言台に立った。
アンバーが証言を行なったのは、現地時間の7月20日。イギリス・ロンドンにある高等法院で連日行なわれている裁判の10日目のこと。
アンバーは、ジョニーとの婚姻中に合計14回にわたり、身体的、精神的暴力を受けたと改めて主張。ジョニーとの馴れ初めや関係の変化、ジョニーの薬や酒への依存、暴力行為の始まりについて供述したうえで、ジョニーから「何度も殺されそうになった」、「彼に殺されるかと思った」などと、ジョニーから暴力を振るわれ、命の危険を感じたほか、あまりにも嫉妬深い性格のジョニーから、ラブシーンや肌の露出などに関する仕事内容に様々な制限をかけられ、俳優としての仕事のチャンスを奪われたなどとも語った。
ありとあらゆる共演者との浮気を疑われたと主張
そんななかで、アンバーがジョニーの嫉妬深さを強調するエピソードとして持ち出したのが、ジョニーが、アンバーが映画で共演した俳優たちの多くと浮気をしたのではないかと毎度のように疑っていたという説。
一貫して不倫の事実は無かったと主張しているアンバーは、「彼はすべての男性の役者たちが私と寝たがっている、もしくは、私が彼らと不倫したと決めつけ、人々から浮気についての話を聞いた、自分は何でも知っていると主張しました」と、ジョニーが彼女の携帯電話を取り上げたり、誰かから浮気していると聞いたと語ることで自分にボロを出させようとしたなどとコメント。
さらに「彼は私が映画で共演したエディ・レッドメイン、ジェームズ・フランコ、ジム・スタージェス、ケヴィン・コスナー、リアム・ヘムズワース、ビリー・ボブ・ソートン、チャニング・テイタム、そして女性の共演者であるケリー・ガ―ナ―との浮気も疑いました」と、元共演者たちの実名を挙げて、嫉妬深いジョニーが彼らと自分の関係を事あるごとに疑ったと主張した。
同業者を「侮辱的なあだ名」で呼んでいた?
ジョニーは、自分がオーディションで顔を合わせただけの役者についても、不倫相手なのではないかと疑っていたと語ったアンバー。
彼女がその例として口にしたのが、ジョニーが映画『ギルバート・グレイプ』で共演した俳優のレオナルド・ディカプリオだった。
ジョニーは「酒に酔ったりハイになったりした時はとくに自分を愚弄してきた」と話したアンバーは、ジョニーが自分にとって性的な脅威を感じるアンバーの男性共演者にそれぞれ侮辱的なニックネームをつけていたとも主張。
「例えば、レオナルド・ディカプリオは『パンプキン・ヘッド(pumpkin head/頭が異常に大きな人、あほ、能無しなどの意味がある)』、チャニング・テイタムは『ポテト・ヘッド(potato head/ばか者、愚か者、間抜けといった意味)』、ジム・スタージェスは『ジム・タード・スタージェス(タード/Turdは糞もしくはくそ野郎、ゲスという意味)』と呼んでいました」と口にした。
ジョニーはアンバーによるこれらの主張をすべて否定している。
これまでの裁判では、被告側のNews Group Newspapersがジョニーのドラッグやアルコールの乱用を裏づける写真などを公開し、ジョニーが酩酊もしくはハイになった状態でアンバーに対して手をあげることが度々あったなどと主張。The Sunによる報道に問題はなかったとしている。
これに対し、原告のジョニー側は、彼にかけられているDV疑惑がアンバーによるでっち上げであり、彼女が婚姻中にテスラ社CEOのイーロン・マスクら複数の男性や女性と不倫していたという疑惑や、彼女こそがDVの加害者でジョニーが被害者であると反論するなど、両者一歩も引かない攻防が続いている。(フロントロウ編集部)