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エミー賞のコメディ部門で監督賞と脚本賞を史上初めてW受賞した女性である、クリエイターのエイミー・シャーマン=パラディーノ。そんな彼女が「絶対に許せない」と語る、女性キャラクターたちばかりに集まりやすいクレームとは?(フロントロウ編集部)

テレビの歴史を作ったエイミー・シャーマン=パラディーノ

 御年54歳であるエイミー・シャーマン=パラディーノは、1990年代からハリウッドのテレビ界で活躍してきたクリエイター。ファミリードラマからコメディまで多くの人気作の脚本やプロデュースを手がけてきたけれど、登場する主人公たちはどれも、賢くて自立していて個性豊かな女性ばかり。

画像: テレビの歴史を作ったエイミー・シャーマン=パラディーノ

 1990年代に大ヒットコメディ番組『ロザンヌ』のライターとしてハリウッドに足を踏み入れたエイミーは、2000〜2007年にアメリカで放送され口コミでファンを拡大したファミリードラマ『ギルモア・ガールズ』をプロデュース。16歳で娘を出産した母親とその娘を主人公に、当時としては前衛的なシーンが多いドラマを作り上げた。

画像: 『ギルモア・ガールズ』©WARNER BROS. TELEVISION

『ギルモア・ガールズ』©WARNER BROS. TELEVISION

 そして近年では、女性は家庭に属することが一般的だった1950年代を舞台に、スタンドアップコメディに目覚めた主婦を主人公にしたコメディドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』を制作し、2018年のエミー賞にて、女性クリエイターとしては史上初となるコメディ部門での監督賞と脚本賞のダブル受賞を果たした。

画像1: 『マーベラス・ミセス・メイゼル』©AMAZON STUDIOS

『マーベラス・ミセス・メイゼル』©AMAZON STUDIOS

「絶対許せない」、女性キャラばかりが受ける批判

 そんなハリウッドのテレビ界で多くの女性キャラクターを作り上げてきたエイミーが、米Hollywood Reporterの動画インタビューに登場。

画像2: 『マーベラス・ミセス・メイゼル』©AMAZON STUDIOS

『マーベラス・ミセス・メイゼル』©AMAZON STUDIOS

 ドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』のシーズン3で、主人公ミリアム・"ミッジ"・メイゼルの「白人の特権(※白人であるだけで受ける恩恵)」が描かれた件について、インタビュアーに、「彼女に対して視聴者がどう反応するかについて心配になりますか?」と聞かれたエイミーは、「いいえ、そういったことは一切気にしない」と即答。しかし続けて、視聴者の反応を気にしない彼女でさえ、どうしても怒ってしまう苦情があることを明かした。

 「(主人公の)ミッジについてよく受ける批判が、子供たち(を置いて出かけることが多いこと)について。この批判に関しては、絶対に許せない。ドラマ『マッド・メン』の(主人公)ドン・ドレイパーが子供たちとあまり時間を過ごさないことについて文句を言う人は1人もいないですからね。だからそんなのクソくらえって感じ。この子たちには愛情深い2人の祖父母がいて、いつもそばにいてくれる父親がいる。この女性が生活のために外出しなくてはいけないことに文句があるのならば、それに対しては、心の底から愛をこめてファックユーといいますね」

 男性キャラクターには「子供はどうした」というコメントは出ないのに、女性キャラクターには「子供は?」「家庭は?」という批判がすぐ出やすいことに対して、「絶対に許せない」と語気を荒げた。

画像: 「絶対許せない」、女性キャラばかりが受ける批判

 母親の子育ての方法を批判するマミー・シェイミングの一種であるこの現象は、現実世界でも起きている。例えば、2016年にグラミー賞シンガーのジョン・レジェンドとモデル出身の実業家であるクリッシー・テイゲンがディナーに出かけた時には、生まれたばかりの子供を置いて出かけたクリッシーにSNS上で批判が集中。ジョンはツイッターで、「ダディ・シェイミングがないのはおかしいよね。僕ら2人でディナーに出かけた時は、クリッシーだけでなく僕ら2人をシェイミングしてくれる?一緒にわけるからさ」と皮肉まじりにつぶやいて話題になった。(フロントロウ編集部)

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