マテル社が、アメリカの大統領選挙イヤーをお祝いすべく、新しいバービー人形を発表。これまでもバービーを通してメッセージを送ってきたマテル社らしいものに。(フロントロウ編集部)

バービーが選挙に立候補

 2020年は4年に1度のアメリカ大統領選挙の年。11月に行なわれる大統領選挙は、すでに予備選がはじまっており、アリアナ・グランデが予備選を訪れた人にコーヒーや食べ物をおごったり、これまで選挙に行ったことがなかったミーゴスのオフセットが投票しに行ったり、影響力があるセレブたちがファンに選挙へ行くことを促し、アメリカを変えようとしている。

 そんななか、マテル社が新たなバービー人形を発表。今回発表されたバービー人形は、アメリカ大統領選挙にちなんで作られたもので、黒人の女性候補者のバービーとそのバービーを支えるキャンペーンマネージャー、選挙の資金集めをするバービー、そして有権者の4体。

 なぜマテル社は、このように選挙にまつわるバービーを作ったのかというと、選出されたリーダーに女性が少ないから。

 マテル社の副社長であるリサ・マックナイトは「アメリカでは選出されたリーダーの3分の1未満しか女性がおらず、そのポジションにおける黒人女性はさらに少ないため、私たちはバービーのキャンペーンチームに多様な人形を用意して、すべての女の子が声をあげることができるということを示しました」と、女性のリーダーが少ないことからこのようなバービー人形を作ろうと思ったと説明した。

 じつはマテル社は1996年を除き、1992年から選挙のたびに女性の候補者のバービーを発表し、女性のリーダーを増やそうということを啓発。今回のバービーも女の子に公の場のリーダーとしての役割を経験させ、未来を作ることに興味を抱かせることを目的として作られた。

2016年の大統領選挙の際のバービー。

 アメリカだけでなく世界を見ても女性のリーダーは増えてきているものの、男性と比べればその差は大きい。アメリカでは、50州で現職の女性知事は9名しかおらず、女性の人口が51%を占めているのに、女性が代表を務めるのは4分の1を超えることは稀とRutgers Eagleton Institute of Politicsのデータが物語っている。

 そのためリサは「私たちの目標は、女の子たちに想像するためのツールを与え、将来の役割を果たすためのリーダシップのバリアを取り除くことです」と、多くの女の子に、何にでもなれるということをバービーを通して教えたいと語った。

 マテル社はこれまでにも「# MoreRoleModels(もっとたくさんのお手本を)」というキャンペーンの一環として、現代に活躍している女性を集めたコレクション「Shero」などを展開して、女の子は何にでもなれるということを訴えてきた。幼い頃からこうして性別にとらわれず、どんな職業にだってつけるということをバービー人形を通して訴えかけているマテル社のおかげで、数十年後には世界が変わるかもしれない。(フロントロウ編集部)

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