鉄板ホラーの『イット』
映画『IT/イット』は、1990年に公開されたホラー映画。小説家スティーヴン・キングの同名小説を原作とした2部作で、テレビのミニシリーズとして放送された。本作は、アメリカのある街を舞台に、人間の弱さにつけ込む不気味なピエロ、ペニーワイズに翻弄される人々を描いた作品。物語の前半は幼少時代、後半は大人になった現代の2パートに分かれている。
2017年には、リメイク版として映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』が公開。フィン・ヴォルフハルトやソフィア・リリスといった人気子役が加わり、世界中で高い評価を得た。その続編にあたる『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』は2019年に公開され、ジェームズ・マカヴォイやビル・ヘイダー、ジェシカ・チャステインなどのベテラン俳優が参加。オープニングからたった3日間で世界興行収入が197億円を超え、ホラー映画の興行収入歴代No.1を記録した。
そんな『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』には、ジェシカ演じるベバリーに“真っ赤な液体”が降り注ぐシーンがある。ホラー映画『キャリー』のように真っ赤な「血のり」が降り注ぐそのシーンは、本編の中でも恐ろしい場面の一つ。
ベバリーにふりかかった「血のり」はどれぐらい?
ベバリーに降りかかってきた血液のような液体は、大量の血のり。フィクションで血液を表現するために作られたその血のりは、リアルさを追求するために日々改良が進められている。
ホラー映画には欠かせない血のりだけれど、『IT/イット THE END “それ”が見えたら、終わり。』のベバリーのシーンで使われた量は、なんと17,034キログラムで、変換すると約17トンにもおよぶ。この量は、おそらくホラー映画のワンシーンで使われた血糊の量で最も多いのではないかとジェシカはCinema Blendのインタビューで答えている。
ジェシカが血のりを被ったままセットで過ごした時間は、なんと16時間近くだったそう。そしてあまりに血まみれになったため、本人は「翌日になっても、目から(溜まってしまった)血を取り除いていた」と振り返る。しかし、これほどまでに大量の血を使うことになったのは、ジェシカ本人の言葉もあったという。彼女は「ホラー映画が大好きだから、『キャリー』みたいなものを作ろう」と提案したことをサンディエゴコミコンで明かしている。
ちなみに17トンは2リットルペットボトル8,500本分。あの一瞬のシーンで信じられないような量の血のりが使われていたのだった。(フロントロウ編集部)