コロナ禍でひっそりとフェードアウト?
世界的ファストフードチェーンのマクドナルドで、長年、子供たちから愛されてきた「あるもの」が永久になくなってしまうかもしれない…。
今年に入ってから全世界で猛威を振るっている新型コロナウイルスによるパンデミックの影響で、人々の生活が様変わりするなか、マクドナルドでも感染拡大防止のために様々な対策が講じられている。とくに、マクドナルドの店舗に隣接している「プレイランド」は子供たちが手で直接触れる場所ということもあり、感染の危険性が高いことから、アメリカではほとんどの店舗で一時的にプレイランドを閉鎖している。
このプレイランドで子供たちに一番人気の“ある遊具”が今、存続の危機に瀕している。その遊具とは、たくさんのボールが敷き詰められたボールプール。
先日、米TIMEのインタビューに答えたマクドナルドのCEOクリス・ケンプチンスキー氏は、ボールプールについて「将来的にボールプールがあるかどうかは、今の段階ではわかりません。私たちがボールプールをなくすのには、いくつかの公衆衛生上の理由があります」とコメント。コロナ禍でプレイランドが一時的に閉鎖しているのに乗じて、ボールプールがこのままひっそりとフェードアウトする可能性を示唆した。
長いあいだ慣れ親しんできたものがなくなってしまうのは寂しい気もするが、マクドナルドのこの判断は正しいかもしれない。昨年、米American Journal of Infection Controlが発表した研究結果によると、ボールルームはまさに細菌の巣窟だという。これまでの研究で、ボールルームには31種類以上の異なる種類のバクテリアが存在していることがわかっているほか、過度に汚れたボールプールでひとつのボールに712,000匹もの微生物が含まれているのが発見されている。
ちなみに、ケンプチンスキー氏は“5年後にマクドナルドがどうなっていると思うか”という質問に対し、「アメリカでは今後もドライブスルーとデリバリーが重要な役割を担い続けると思います。でもイートインがなくなることはないでしょう。人と一緒に食事をとりながら交流することは、人間の基本的な行動であり、今後もニーズがあると思います。以前ほど主流ではなくなるかもしれませんが、存在し続けるでしょう」と答えている。(フロントロウ編集部)