ボタンを押すと喋ったり笑ったりする『トロールズ』のキャラクター人形に保護者たちから抗議が殺到。その原因は、「完全にアウト」な位置についたボタンと女の子のキャラクターのリアクション。(フロントロウ編集部)

『トロールズ』のおしゃべり人形、「ボタンの位置」が問題視

 ドリームワークス・アニメーション発の3Dアニメ映画『トロールズ』は、2016年に第1作目が公開されて、大人気を博し、2018年にはテレビシリーズ化作品『トロールズ:シング・ダンス・ハグ!』がNetflixで配信。日本では2018年10月から1年間テレビ東京系列で放送されたほか、北米では2020年4月に第2作目の映画『トロールズ ミュージック★パワー』が公開された(日本公開は2020年10月2日予定)。

 『トロールズ』のメインキャラクターのなかでも、最も人気なのが、映画版では映画『ピッチ・パーフェクト』や映画『トワイライト』シリーズなどで知られる俳優のアナ・ケンドリックが声を担当するピンク色のトロールの女王ポピー。

画像: 『トロールズ』のおしゃべり人形、「ボタンの位置」が問題視

 そんなポピーをモデルにした米玩具メーカー、ハスブロ(Hasbro)社製の“おしゃべり人形”が「不適切すぎる」、「児童への性的虐待を助長させるようだ」と海外の保護者達から苦情が殺到した。

 一見何の問題も無い可愛らしい人形のように見える商品の問題点を指摘したのは、最近誕生日を迎えた娘が、知人からポピーのおしゃべり人形を贈られたというあるアメリカ・ユタ州に住む母親。

 フェイスブックに投稿した動画を通じて、パッケージにはお腹を押すと10種類のフレーズを発すると宣伝されているポピー人形だが、ボタンが股間部分に設置されており、押すと「ワオ!」、「ウフフ…」といった音声が発せられることが、まるで股間をまさぐられて喜ぶことを“善し”としているかのようだと指摘した。

 この母親は「今世界では、性目的の児童人身売買やチャイルド・グルーミング(※)が問題視されています。そんななかで、これは間違っています。このボタン…秘部に触れられて息を呑むような音が出るなんて。私には、性的な音に聞こえます。動揺せずにはいられません。親として、腹が立ちます」などと、このおもちゃが子供たちに悪影響を及ぼしかねないとコメントした。

※子供を性行為などに誘いこむために、警戒心を解き信頼を得ようとすること


回収を求める署名運動が勃発

 この母親の投稿がSNS上で拡散されると、子供を持つ両親たちを中心に世間でも抗議の声が噴出。オンライン署名収集サイトのChange.orgでは、「ただちに該当の商品の販売を中止するべき」だと訴える署名運動がスタートし、54万件を超える署名が集まった。

 これを受け、ハスブロ社が声明を発表。もともと、このポピー人形は、お腹を押すだけでなく、座らせるとおしゃべりをするという仕組みにもなっており、そのために股の部分にボタンがついた仕様になっていると説明したが、一部の人々が「ボタンの位置が不適切だと感じてしまうことは理解できます」と、出荷済みの商品の回収を発表した。

 問題を提起した母親は言及していなかったが、パッケージには確かに、座らせるとおしゃべりするという旨の記載がある。そのため、インスタグラムで拡散されているこの件に関する動画には、一部、虚偽情報が含まれる可能性があるという警告ラベルが表示される。しかし、ハスブロ社は、たとえ説明書きがあったとしても、不適切な仕様には変わりないという多くの保護者たちの意見を真摯に受け止め、回収に踏み切ったようだ。(フロントロウ編集部)

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