カマラ・ハリス議員が副大統領候補に指名
11月に行なわれるアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプ大統領率いる共和党からの政権奪還を目指して出馬する意向を表明している民主党のジョー・バイデン氏が、上院議員のカマラ・ハリス氏を副大統領候補に指名。
バイデン氏がツイッターを通じて、「弱い者のために闘う恐れを知らないファイターで、アメリカで最も素晴らしい公僕の1人」が称賛するハリス氏の副大統候補指名に、多くのセレブたちが賛同と応援のリアクションを見せている。
ハリス氏は、バイデン氏の指名を受け、「バイデン氏はアメリカ国民を団結させることができます。なぜなら、彼は人生をかけて私たちのために戦ってきたからです。大統領として、彼は、私たちが理想とするアメリカを築くでしょう。私たちの党の副大統領候補として、彼と歩みを共にすることを光栄に思います。彼を私たちの最高司令官にするべく力を尽くします」と、決意を表明した。
.@JoeBiden can unify the American people because he's spent his life fighting for us. And as president, he'll build an America that lives up to our ideals.
— Kamala Harris (@KamalaHarris) August 11, 2020
I'm honored to join him as our party's nominee for Vice President, and do what it takes to make him our Commander-in-Chief.
カマラ・ハリス議員ってどんな人?
カリフォルニア州オークランドで誕生した現在55歳のハリス氏は、ジャマイカからの移民であり、黒人の血を引く父親とインドからの移民である母親を持つ。
上院議員に当選する以前は、検察官として活躍。サンフランシスコ地区の検察官などを経て、2011年からの6年間は、女性として初めて、カリフォルニア州の司法長官を務めた。
自らを「革新的な検察官」と呼んだハリス氏は、薬物絡みの犯罪で逮捕された若者たちを収監するのではなく、職業訓練などを通じて更生させる施策に取り組んだほか、警察の不正や過度な暴力の行使を防止するため、ボディカメラの装着を義務づける改革なども進めた。
自身も移民の家庭の生まれであり、有色人種であるハリス氏は、公民権運動に熱心だった父親の意志を継ぎ、政界に進出してからも、マイノリティーの権利向上に全力を注いできた。
2016年の上院議員選挙でカリフォルニア州で史上3人目の女性上院議員となったハリス氏は、単一医療保険制度の導入、不法移民のための市民権への道、DREAM法(※)、暴行武器の禁止、進歩的な税制改革を支持。さらに、高等教育の学費免除や移民や難民の人権保護などにも力を入れている。
※正規の書類をもたずに家族と共に米国に16歳未満で移民し、米国で教育を受けた若者に、条件を満たせば永住権を得ることを可能にする法案。
ハリス氏は、2020年大統領選挙の予備選にバイデン氏と肩を並べて民主党候補として出馬したが、十分な選挙資金が集まらなかったため、2019年12月に撤退を表明したという経緯がある。
ハリス氏は、主要政党の議員としては初の黒人およびアジア系の副大統領候補であり、もしバイデン氏が大統領に当選した場合には、アメリカの歴史上初の女性副大統領となる。
さらに、副大統領を経験後は、将来の大統領選への出馬という道も開けるため、ハリス氏の副大統領候補選出は、アメリカ初の女性、しかも有色人種の大統領の誕生に一歩近づくという、さらなる展望も意味する。
ハリス氏の副大統領候補選出にセレブたちが続々反応
バイデン氏は、ハリス氏を自身とともに戦う副大統領候補に選出した理由について、次のように語っている。
アメリカは今、以下の状況に直面している:
― 100年に1度の最悪のパンデミック
― 世界大恐慌以来、最大の経済危機
― 人種間の平等を求める一世代に一度の力強い訴え
私の隣には、聡明でタフで国を引っ張って行くような人物が必要だ。カマラ・ハリスこそがその人だ。
ハリス氏が民主党の副大統領候補に選ばれたという報せを受け、バイデン氏の大統領選出馬を応援している多くの有名セレブたちが、ハリス氏への支持を表明している。
テイラー・スウィフト
— Taylor Swift (@taylorswift13) August 11, 2020
シンガーのテイラー・スウィフトは、ハリス氏の決意表明ツイートを引用し、シンプルかつ力強く「YES(イエス)」とコメントして賛同。
バラク・オバマ
バラク・オバマ元米大統領は、自身の任期中に副大統領を務めたバイデン氏が、ハリス氏を副大統領候補に指名したことに対し「今日は私たちの国にとって良い日。さあ、勝ちに行こう」というメッセージと長文を投稿。
「副大統領の指名は大統領が下す、最も重要な最初の決断」、「(副大統領には)決断力があり正しい判断ができ、自分だけでなく他者の人生や可能性を考慮できる人材がふさわしい」、「バイデン氏はハリス氏をアメリカの次の副大統領候補に指名したことは正しい決断」、「私はハリス氏を長きにわたって知っているが、彼女は、副大統領の仕事に就くうえで充分すぎるほど適任」などと、バイデン氏とハリス氏を全面的にバックアップする姿勢を示した。
ジョン・レジェンド
Very happy for our friend and Senator and future Vice-President, @KamalaHarris, and very much looking forward to voting for the Biden-Harris ticket to begin the difficult work of recovering from this nightmare presidency and building an even better future.
— John Legend (@johnlegend) August 11, 2020
グラミー賞受賞シンガーのジョン・レジェンドは、「私たちの友人で上院議員、そして未来の副大統領であるカマラ・ハリス氏の候補選出をすごく喜んでいる。悪夢のような現政権から回復し、より良い未来を築くために、バイデン氏とハリス氏に投票するのが待ちきれない」とコメントした。
クリッシー・テイゲン
fuck yes. excited to vote!! still amazed Election Day isn't a national holiday. it needs to be celebrated, with a post vote bar crawl.
— chrissy teigen (@chrissyteigen) August 11, 2020
ジョンの妻でモデル、そしてSNS上の“ご意見番”としても知られるクリッシー・テイゲンは、「最高。投票が楽しみ!でも、大統領選挙日が未だに国民の祝日じゃないのが不思議でたまらないけど。選挙日はお祝いされるべき。選挙のあとはみんなでバーをはしごしたりしてね」と、独特の語り口でバイデン氏に投票することを明言した。
シャーリーズ・セロン
Let's go @KamalaHarris!!! We've got our ticket, now it's up to us to VOTE. Are you registered?! #BidenHarris2020 https://t.co/15BVBtSXfJ
— Charlize Theron (@CharlizeAfrica) August 11, 2020
映画『スキャンダル』のシャーリーズ・セロンは、「レッツ・ゴー、カマラ・ハリス!!! 私たちはチケット(選挙の候補者名簿)を手にした。あとは私たちの投票次第。みんな選挙登録は済んでる?」と、フォロワーたちに呼びかけた。
ジェシカ・ビール
シンガーのジャスティン・ティンバーレイクとの間に2児をもうけた 映画『 記者たち〜衝撃と畏怖の真実〜』のジェシカ・ビールは、「有色人種の女性や大きな夢を持った少女たち、母親たちにとってなんて歴史的瞬間なんでしょう。私たちはあなたを応援しています」とインスタグラムを通じてハリス氏にエールを送った。
ロブ・ライナー
Finally a Presidential ticket that looks like America!! Now we all go to work to restore the soul of our Nation. VOTE!!!!
— Rob Reiner (@robreiner) August 11, 2020
映画『スタンド・バイ・ミー』や『最高の人生のはじめ方』などで知られる映画監督兼俳優のロブ・ライナーは、「ついにアメリカらしい大統領選の公認候補リストが出された!さあ、みんなでこの国の魂を復旧させるために力を合わせよう!投票だ!」と、これまで政治の世界を席巻してきた白人男性だけでなく、移民・黒人・アジア系、女性と、アメリカという国を構成する人々を体現するような存在であるハリス氏の副大統領候補選出に胸を弾ませた。
ジェシカ・チャステイン
Queen Veep <3 @JoeBiden choose @KamalaHarris as his running mate and me & my kid are HERE FOR IT pic.twitter.com/FTTISnafiw
— Jessica Chastain (@jes_chastain) August 11, 2020
映画『IT/イットTHE END“それ”が見えたら、終わり。』のジェシカ・チャステインは、「クイーン副大統領!ジョー・バイデン氏がカマラ・ハリス氏を副大統領候補に選びました。私と我が子は応援しています」とコメント。さらに、2018年に代理母出産で授かった娘のジュリエッタちゃんが、日頃から、マーベル作品に登場するスーパーヒーローの人形の代わりに、彼女にとっての“ヒーロー”である政治家たちの人形で遊んでいることを明かしたジェシカは、ハリス氏の人形を持って「ハロー、副大統領さん」と口にする動画も公開した。
このほかにも、モデルのヘイリー・ビーバーやドラマ『グリー』のヘザー・モリスやケヴィン・マクヘイル、ジェーン・リンチ、シンガーのシェール、ピンク、俳優のサラ・ポールソン、ベン・プラット、コルトン・ヘイズ、ミンディ・カリング、ソフィア・ブッシュ、エミー・ロッサム、ジョージ・タケイ、エリザベス・バンクス、ウーピー・ゴールドバーグ、シャロン・ストーン、ケリー・ワシントン、チャドウィック・ボーズマン、アメリカ・フェレイラ、バスケットボール選手のレブロン・ジェームズ、元大統領候補のヒラリー・クリントンほか、数えきれないほどの著名人たちが、バイデン氏&ハリス氏を応援するコメントを発信している。(フロントロウ編集部)